
認知症希望大使 春原治子さん
9月21日は「世界アルツハイマーデー」です。国の推計では、2025年には65歳以上の5人に1人・およそ700万人が認知症になると見込まれています。そうした中、病気を公表し理解を広げる活動をする女性がいます。年々、できないことは増えていますが、積極的に交流を重ねています。
■認知症を公表 理解を広める活動

上田市役所で開かれた世界アルツハイマーデーイベント
世界アルツハイマーデーに合わせて、上田市役所で開かれた啓発イベント。周囲のサポートの必要性や早期発見のポイントをまとめたパネルなどが展示され、多くの人が足を止めていました。

認知症希望大使・春原治子さん:
参加者に花を配る市内在住の春原治子さん79歳。認知症を公表し、社会の理解を深める活動に取り組んでいます。
認知症希望大使・春原治子さん:
「大勢の人が認知症について関心を持ってくださるのはとてもありがたい。本人よりも周りの人が理解して対応してくださることがとても大事」
■今できることを楽しむ

2年前の春原さん
2年前の春原さんです。
隣の家に住む息子家族のサポートを受けながら、市内の施設に通っていました。既に、一人で順序立てて料理することや風呂を沸かして入浴することは難しくなっていました。

目標を読み上げる春原さん(2021年3月)
目標はー。
春原治子さん(2021年3月):
「認知症であっても私は私。今できることを楽しみ、元気に生きる。孫から『おばあちゃんいいこと書くね』って。できないことはできないので別に困ることはない」
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小学校教師時代の春原さん(画像提供:春原さん)
春原さんは小学校の元教師。
退職後はボランティア活動などに力を入れてきました。
■認知症を公表 当事者の思いを率直に
認知症と診断されたのは2017年の秋。同じ言葉を繰り返すようになり、物忘れも増えたことから、家族に受診を勧められたのです。
認知症希望大使・春原治子さん:
「そんなに驚かなかったですよ。『そうですか』という感じで。でも、自分自身では、その前と変わっているとは思わなかった」

地域のセミナーで認知症について学ぶ春原さん
春原さんがさほど驚かなかったのはその前から地域のセミナーで認知症を学んでいたからでした。
そこで学んだ通り周囲の力も頼ろうと病気を公表し、当事者の思いを率直に語るようにしました。