
ナシの1世帯当たり年間支出額 出典:総務省統計局「家計調査」
しかし、消費量は、全国トップクラスとは言い難い状況です。
都道府県庁所在地と政令指定都市で見た1世帯当たりのナシの年間支出額。1位は「二十世紀」のお膝元とも言える鳥取市で7596円でした。
一方、長野市は下から4番目の49位で825円。代表的な産地なのに消費が少ないという課題が浮かんできます。

新品種「天空のしずく」
こうした状況を改善しようと県南信州農業農村支援センターは2022年6月、「産地再生プロジェクト」をスタートさせました。
新規就農者のための研修会を開き、病気に強く、甘みもある新品種「天空のしずく」の普及に力を入れています。

飯田下伊那の菓子店など13店舗に依頼したナシ・スイーツの一部
そしてこのほど、新たな取り組みを始めました。
ナシがたっぷり乗ったタルトに、生のナシがそのまま入った大福。魅力を広めようと飯田下伊那の菓子店など13店舗に依頼し、ナシを使ったスイーツを開発してもらいました。
県南信州農業農村支援センター・佐々木直人所長:
「例えば鳥取県、あちらへ行きますと『二十世紀』を使ったお菓子が、いろんな種類のものがある。ただこちらは、そういうものがないということで、商品を通じてこの地域の日本なしの魅力が発信できるのではないかと」

飯田市の「田月」
取り組みに参加した飯田市の「田月」が手掛けたのは、「丸ごと梨パイ」。その名の通り、丸々一個、パイ生地で包んで焼き上げた一品です。
作るところを見せてもらいました。

ブランデーを加えて一晩寝かせる
皮をむいて蒸したナシを、砂糖と水を混ぜたシロップに入れ、1時間ほど煮詰めます。ブランデーを加えて一晩寝かせれば、「コンポート」の完成。
それをシナモン風味のスポンジ、パイ生地で包んでオーブンで20分ほど焼けば完成です。
田月 店主・城田茂さん:
「丸ごと1個というところが、もらった方も『おぉ』って思うし、インパクトがあってそれだけ記憶に残るかなというところで、始めさせてもらった」

田月の「丸ごと梨パイ」(税込1296円)
記者が試食―。
(記者リポート)
「やさしいしい甘さですね。ナシはやわらか過ぎず少しシャリっとした食感も残っていて、サクサクのパイ生地との相性も抜群でとてもおいしいです」