
ナシ生産を後押し スイーツで魅力発信
特集は長野県産のナシです。長野県飯田下伊那の特産品となっているナシ。近年、生産者の減少などで収穫量は右肩下がりです。そこで生産を後押ししようと、ナシを使ったスイーツで魅力を発信する取り組みが始まりました。

農家・宮嶋さんの畑のナシ「幸水」
みずみずしく実ったナシ。下條村の宮嶋真司さんの畑では、旬を迎えた「幸水」の収穫が行われていました。
農家・宮嶋真司さん:
「甘みが強いということで『幸水』が好きだという方が非常に多い。当然ですけど、みずみずしさもあって」

10月末まで続くナシの季節
これから10月末まで続くナシの季節。強い甘みとみずみずしい果肉の「幸水」、味のバランスがよく果汁豊富な「豊水」、程よい酸味でさっぱりとした味わいの「二十世紀」、甘さに優れた長野県生まれの「南水」、果肉が柔らかくジューシーな「あきづき」と特徴の違ったナシを楽しむことができます。
農家・宮嶋真司さん:
「7月の降水量が少ないので、甘みは例年よりも高いといわれていますし、この調子で後半収穫期に向かって、玉が伸びてくれるといいかなと」

県内の日本ナシの収穫量 出典:農林水産省「果樹生産出荷統計」
今年も上出来のナシ。しかし、近年、県内の生産量は減少しています。
2005年には2万3900トンありましたが、徐々に減っていき2022年は1万3000トン。半分程度に落ち込みました。
原因は?
県南信州農業農村支援センター・佐々木直人所長:
「『農家の高齢化』が一番。(担い手の)減少のスピードに対して、新規に入ってくる人の割合が追いついていないことがある」

シャインマスカット
原因はもう一つ。人気の「あのブドウ」に関係しています。
県南信州農業農村支援センター・佐々木直人所長:
「ナシの棚を使ってブドウを植えるというケースが結構あって、(ナシは)苗木を植えてから目標の収量を得られるまで10年くらいかかるんですが、ブドウの場合はかなり短く済むので、『シャインマスカット』が価格的にも好調なので、そういった面で関心の高い果樹になっている」
生産者の減少に、ブドウへの転換…。加えて、厳しい状況を物語るデータがあります。2022年の県内のナシの収穫量は、千葉、茨城、栃木、福島に次いで全国第5位。