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【戦後78年】壮絶な「集団自決」満蒙開拓の悲劇 “記憶”つなぐ高校生ガイド 少しずつ育つ若い伝え手

■自分の説明に納得できず…

松川高校ボランティア部部長・小田切彩風さん(3年)

7月19日―。

コロナ禍も落ち着き、今年度、部員たちは何度も記念館へ通いました。久しぶりに夏休み中のガイドが決まったのです。小田切さんは「逃避行」の担当。

松川高校ボランティア部部長・小田切彩風さん(練習):
「こちらはソ連軍戦車部隊に機銃掃射をうけ、1000人以上が死亡した葛根廟事件。現地住民から襲撃をうけ、500人近くが服毒自決をした瑞穂村開拓団事件」

自分の説明に納得できずにいました。

松川高校ボランティア部部長・小田切彩風さん:
「相手に原稿を読んでるんだなと分かって、思いが伝わってないんじゃないかと。途中途中、自分の言葉を入れつつ、簡単に、一人でも多くの人がわかるようにガイドしたい」

■自問自答 どうすれば関心を

研修で訪れた高校生を対象に展示ガイドを行う

初めてガイドに挑む西山佑一さん(2年)は、少年たちが「義勇兵」として満州に渡った背景の担当。満州行きを勧めざるを得なかった教師たちについては、「問いかけ」も交えます。

松川高校ボランティア部・西山佑一さん(練習):
「皆さんが先生だったら、この時代の生徒に義勇軍に入ることを勧めますか?皆さんもこの時代だったらどうしていたか、考えてください」

松川高校ボランティア部・西山佑一さん(2年):
「自分で考えて、実際に意見を、関心を深めてもらえればなと思っています」

8月11日、迎えた本番。

案内したのは研修で訪れた高校生や一般の来館者です。西山さんの「問いかけ」は…。

松川高校ボランティア部・西山佑一さん(2年):
「当時の人たちにとっては死活問題でした。誰かを義勇軍に勧めないと、自分の生活が危うくなってしまうからです。皆さんは今、この時代、今後どうなっていくか、状況を見て判断してください」

西山佑一さんは、ガイドで「問いかけ」を交えた

「考えてください」を「判断してください」に変えました。

松川高校ボランティア部・西山佑一さん(2年):
「考えるだけじゃだめなのかなって。判断、考えてそこからどうするのかも含まれる。考えて、さらにその先もやらなきゃ、かなと」

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