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【戦後78年】壮絶な「集団自決」満蒙開拓の悲劇 “記憶”つなぐ高校生ガイド 少しずつ育つ若い伝え手

■現在の語り部は10人余り

2022年、語り部になった池田肇さん

2022年、新たに語り部になった人がいます。泰阜村出身の池田肇さん87歳。

語り部・池田肇さん(87):
「中国人が銃を持って襲ってくる。側溝が泥水で草が生えている。とにかく、そこへ飛び込んで這って逃げると。私が這ってると、そばに這ってる人が撃たれとる」

逃避行の中、幼い弟は命を落とし、母ともう一人の弟と共に中国人の世話になりました。

帰国したのは終戦から30年近くたった38歳の時。帰国の喜びや文字がわからず苦労したことなども伝えています。

語り部・池田肇さん(87):
「終戦78年になりますもんで、まだこういう状況を聞きたいという方がおるというのを、感心しまして。これから、続けるっていっても大変、年齢が年齢だで。でも、できる限りはね」

満蒙開拓平和記念館・三沢亜紀 事務局長

現在の語り部は10人余り。この10年、池田さんのように新たに加わる人もいて人数は減っていません。

満蒙開拓平和記念館・三沢亜紀 事務局長:
「そういう人たち(語り部)の思いを一緒に受け止めた仲間たちも大勢生まれてきた。体験者が抱えてきた悲しみとか痛みとか後悔の念とかあるんですけど、それを検証しながら伝えていく、それが次の世代の役割だと思います」

■「使命感」記憶つなぐ高校生ガイド

小田切彩風さん(左)は、久保田さんの講演を聞いた経験も…

記憶をつなぐ。それを担おうとしているのが松川高校ボランティア部です。2019年から記念館の「展示ガイド」として活動しています。

松川高校ボランティア部部長・小田切彩風さん(3年):
「大事なことは相手の目を見ること」

部長の小田切彩風さん(3年)。記念館で聞いた久保田諫さんの「集団自決」の話に衝撃を受けました。

松川高校ボランティア部部長・小田切彩風さん(3年):
「すごく怖いお話だし、まず自分が生きている環境で集団自決とか考えられなかったので怖かったです」

ガイドの活動はコロナ禍で途切れましたが、練習を重ねてきました。小田切さんを動かしたのは「使命感」です。

松川高校ボランティア部部長・小田切彩風さん:
「(体験者が)亡くなっちゃうと歴史が薄れていくというのがあるので、その話を聞ける最後の世代だと思って、ウクライナの戦争のことも(久保田さんは)『それも絶対起きちゃだめだ』と言ってくださったので、責任感を持ちながら一人でも多くの人に伝えたいです」

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