■大きな可能性 「学校」設立

長野市産のヘーゼルナッツ
洋菓子に欠かせないヘーゼルナッツだが、日本ではほぼ100%が輸入品。
岡田さんは大きな可能性を感じるようになった。

店の横に広がるヘーゼルナッツ畑
まず、遊休農地の活用に役立つこと。そして、管理が楽で新規就農に向いていること。草刈りの他に特別な手入れは必要なく、殻が硬いため、鳥獣被害もない。
情報発信に努めたところ、栽培に関心を持つ人が徐々に増え2023年4月時点で、生産者は全国で844人となった。

フル里農産加工・岡田浩史さん
そこで考えたのが「学校」の設立だ。
フル里農産加工・岡田浩史さん:
「お話しかできないことのもどかしさがすごくあって、実際に実習ができたらいいなと。それだったら学校つくっちゃおうかと、また無謀にも考えてしまった」

長野市街地を見渡す真光寺地区
市街地を見渡す山あい・長野市真光寺地区。
岡田さんは研修施設をつくり、周辺には苗を植える予定の圃場も整備した。

学校の周辺には、苗木を植える予定の圃場を整備
これまでボランティアで相談を受けてきたが、ここで体系的に学んでもらう予定だ。
カリキュラムは全5回。栽培、加工、販売など岡田さんがマンツーマンで指導する。(1回・2万5000円、1回ずつでも受講可)
■6次産業化に向いている

イタリアから直輸入の加工設備
こちらはイタリアから直輸入した加工設備。
フル里農産加工・岡田浩史さん:
「これが一番最終の工程なんですけど『摩砕』ユニット、磨く砕く。全部、フルオーダーメード。(日本には他にない?)ないです、まったくないです。初上陸」

ヘーゼルナッツを粉末に加工
現在生産されている国内のヘーゼルナッツは、ほぼ岡田さんが買い取って生アイスにしているが、ペーストや粉末にすれば多くの需要を掘り起こせると考えている。

ヘーゼルナッツをペーストに加工
フル里農産加工・岡田浩史さん:
「加工するごとに付加価値があがっていく。6次産業化に向いている作物だと理解しているので、最終的に収益が上がる農家になるには、加工もしましょうということを勉強していただきたい」
■ショコラティエも期待

有名ショコラティエ・土屋公二さんも太鼓判
ショコラティエ・土屋公二さん:
「国産で非常においしいものができる、最高にいいこと」
東京・渋谷の有名店のショコラティエ・土屋公二さん。国産ヘーゼルナッツの生産拡大を心待ちにしている。
ヘーゼルナッツのソフトクリームを試食ー。
ショコラティエ・土屋公二さん:
「すーっと入るんですね、おいしいなあ」