■千葉県の会社が事業受け継ぐ

事業を受け継いだ「オニオン新聞社」の浅川さん
実はウェブサイトの製作などを手がける千葉県の会社が、事業を受け継ぐことを表明。創業者の須沢さんからレシピを受け継ぎ、復活することが決まったのです。
社員に「盛よし」のファンがいたことがきっかけでした。

人気メニューのカニコロッケ
オニオン新聞社・浅川和也さん:
「カニコロッケとか大好物で近くを通って席が空いていたら、いつもいただいてるような形だった。お客さまにがっかり感を与えないように同じ味、同じレシピ、同じメニューで続けていくことが大事かな」
■吉報が届く前に母が亡くなる

忍さんの息子・洸一郎さん(創業者の孫)
しかし、この吉報が届く前に、洸一郎さんの母・忍さんは亡くなりました。(享年46)
洸一郎さんはまだ専門学校生。いずれ母の思いを背負って店に立つつもりです。
忍さんの息子・洸一郎さん:
「本当に急な別れで悔しくて悲しくて寂しかった。心の中には常に母親がいると思って、母の分まで笑顔に幸せにできたら」
■当時のシェフが味守る

人気メニュー・カニコロッケを仕込む長谷川さん
再出発が近づいた7月30日、厨房では看板メニューの一つ「カニコロッケ」の仕込みが進んでいました。
仕込むのは40年以上、ここで働いてきたシェフの長谷川良昭さん(60)です。
シェフ・長谷川良昭さん:
「思い出しながらやってる感じかな。何十年もやってたことなので、体が覚えてるじゃないけど。突然の閉店だったので、本当にぽっかり穴が空いた感じでした。社長(須沢さん)が築いてきた味は、私たちも引き継いでいかないと」

シェフ・重沢利樹さん
店の味は長年働いてきた長谷川さんと、もう一人のシェフ重沢利樹さん(47)が引き続き守っていくことになりました。
シェフ・重沢利樹さん(47):
「とにかく再現できるか不安はあるけど、今までのお客さんにも満足してもらえるように、新たに来るお客さんも満足してもらえるような、そういうお店にしたい」
■創業者「先が明るくなった」

味見に訪れた創業者の須沢盛義さん
翌日、創業者の須沢さんが久しぶりに店へ。料理を味見しました。
創業者・須沢盛義さん(72):
「点数で言ったら60点くらい。お客さんにも支持を受けてると思うし、今まで通りやっていただければ大満足です。仕事ばかだったもので、(店を)失うこと自体がものすごくつらかった。こういう日が迎えられることは、先が明るくなったような気がして本当にうれしい」