■復旧に向け「支援の輪」

地元の大学生が募金活動
ショックは地域全体に広がり、「再び赤い鉄橋を」と復旧に向けた取り組みが行政でも、市民レベルでも起こった。
通学で使う長野大学の学生有志は、中づり広告の応援メッセージを募り、その「掲載料」を寄付。

松任谷由実さんも応援メッセージ
ユーミンこと松任谷由実さんも応援メッセージを寄せた。
岡田さん夫婦もイベントで別所線の写真を展示するなどして支援を呼びかけた。
■被災から1年5カ月 待望の復旧

被災から1年5カ月 待望の復旧(2021年3月)
こうした地域の後押しもあり、工事は順調に進行。別所線は被災から1年5カ月がたった2021年3月、全線開通。
「赤い鉄橋」に再び列車が走りました。
岡田康子さん:
「待ちに待った全線開通の日だったので、別所線に乗って、みんなが周りで手を振る様子を見てうれしかった」
広がった支援の輪、そして待望の復旧―。
■支援の輪 復旧までの物語

写真絵本 「赤い鉄橋を渡っていくよ」
二人はこれを語り継いでいこうと考えた。
岡田康子さん:
「直っていく赤い鉄橋の姿をもっとたくさんの方に見ていただける機会があったらうれしいなと。写真絵本にしたら、大人にもお子さんにも見てもらえるかなと」

写真絵本 「赤い鉄橋を渡っていくよ」
写真絵本は児童書の一ジャンル。
被災後も撮影を続けてきた光司さんの写真に幼稚園教諭時代、オリジナルの劇をつくってきた経験がある康子さんがわかりやすい文章をつけてまとめた。
(写真絵本より)
「ぼくは『あっ!』と声をあげた。大きな音は赤い鉄橋が落ちてしまった音だったんだ」

写真絵本 「赤い鉄橋を渡っていくよ」
物語は別所線ファンの主人公「ぼく」の視点で被災から復旧までを描く。
(写真絵本より)
「地元のみんながチャリティーイベントや募金活動をしているみたい。ぼくは少し、元気が出てきた」
(写真絵本より)
「532日ぶりに別所線がお客さんを乗せて赤い鉄橋の上を走っていく!!」
■「夏休み推薦図書」に選ばれる

えりすぐりの別所線の写真を盛り込む 提供:岡田フォトスタジオ
本にはえりすぐりの別所線の写真を盛り込んだ。
岡田光司さん:
「復興するシーンだけで組むことも可能だったんでしょうけど、別所線の魅力を同時に伝えられたらと」
本は別所線の上田駅で販売されている他、岡田さん夫婦の自宅近くの書店では特設コーナーで販売中。

