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誰もが気軽に「バリアフリーなおやき店」 障害と向き合ってきた女性の思いが形に 背景は“家族の存在” 

■「ユニバーサルデザイン」を目指した店

常連客・丸山勤さん

おやきや千代子 三輪店・小湊瑞希さん:
「いらっしゃいませ。ありがとうございます」

車いすで訪れたのは、近くに住む丸山勤さん(75)。週に2日は通う「常連さん」だ。

全盲で60代の頃から平衡感覚も弱くなり、車いすを利用している。

常連客・丸山勤さん:
「なんでもいいよ、4つ」

おやきや千代子 三輪店・小湊瑞希さん:
「季節商品がセリと葉ネギ、タケノコがあるんですけど」

常連客・丸山勤さん:
「いいじゃん、セリ。お願いしたい」

おやきや千代子 三輪店・小湊瑞希さん:
「車いすのポケットに、入れさせていただきます」

店内

入り口や店内はベビーカーや車いすが通りやすいように幅を広くしてある。

また、車いすの人でも手に取りやすいように、棚の高さは70センチと低くしている。小湊さんが実際に車いすに座って調整したという。

常連客・丸山勤さん:
「おいしい、相変わらずおいしい」

丸山さんは、小湊さんとの会話も楽しみにしている。

おやきや千代子 三輪店・小湊瑞希さん:
「さっきも、お子さん連れで5組くらい来てもらって」

常連客・丸山勤さん:
「私にとってここ、拠点なんですよ、地域の。自分で困っていることを話したりして、親しくしてもらって。私が住んでいる近辺ないんですよ、こういうお店が。ここができたので本当、助かってます」

「ユニバーサルデザイン」を目指した店

配慮は他にも。

レジには耳が不自由な人向けに支払方法などを示す「コミュニケーションボード」を用意。希望する項目にマグネットを置いてもらい、筆談でやり取りできるようにしている。

目の不自由な人には点字付きメニューや、スマホでQRコードをかざすと音声での案内もできるようにしてある。

いわゆる「ユニバーサルデザイン」を目指した店。

■家族の存在

小湊瑞希さんと長男・はるとちゃん5歳

小湊さんがこだわった背景には「家族の存在」があった。

おやきや千代子 三輪店・小湊瑞希さん:
「私の兄が知的障害がありまして。それと息子が発達障害と2歳の時に診断を受けまして、幼い頃から障害とかに関してずっと興味があって、知っていこうという努力を日々してきました。聴覚障害の方、視覚障害の方、発達障害の方、車いすユーザーの方が、利用しやすいような店をつくりたい」

はるとちゃん(5):
「おかえりー!」

長男・はるとちゃん5歳。2歳の時、発達障害と診断され、保育園と療育施設に通っている。

はるとちゃん(5):
「ほら見て!見てほら!」

おやきや千代子 三輪店・小湊瑞希さん:
「2、3歳までは、結構『多動』で、外に遊びに行くにもバーと走り出しちゃうことも多くあって。そんな中、ヘルプマークをつけてもらって、周りの人にもちょっと気にかけてもらえたらなという気持ちもあって。いろんな飲食店でこういった合理的配慮を少しずつでも広げていきたいですね」

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