■複合は「噛めば噛むほど味が出る」

現在、ノルディック複合は次回のオリンピック種目から除外される可能性があるといいます。
男女平等が叫ばれる中で、女子種目が採用されていないこと、出場国がヨーロッパに偏っていること、視聴率の低さなどが課題として挙げられています。
渡部は「除外のやり玉に上がっても仕方がないとは思う」と前置きしながら、「1924年の第1回大会から残っている伝統種目でもあるし、それをそんなに簡単に除外にしてもいいのかという気持ちもある」と複雑な思いを吐露しました。
一方で、渡部がこの競技に感じている魅力は明確です。
「一見するとおもしろみが分からない競技だったりもすると思う、初見は。でもやっぱりこう噛めば噛むほど味が出てくる」と語ります。
「2種目やるからこそ、人間性が出てくる。ただの才能があるだけじゃないという、その努力の仕方がレース展開に表れてきて、完璧じゃない人間たちが繰り広げるレースの味みたいなものがすごくおもしろい」と渡部は続けました。
引退後の自身のビジョンについては、「今まで1番本当にやりたいことをやってきたので、夢中になれるようなことに出会いたい」といいます。
悩んだ結果、渡部は6月1日、北野建設スキー部のゼネラルマネージャーに就任しました。
ノルディック複合の「1番のファンでもある」と語る渡部。
雪上に刻んだキング・オブ・スキーの軌跡は、次の章へと続いていきます。
※この記事は、2026年5月10日にNBS長野放送で放送した「北野建設Presents 雪上に刻んだ軌跡 キング・オブ・スキー 渡部暁斗」をもとに構成した内容です。(全3回の記事その3)

