利之、京都へ行く。第十話
「鴨、京都へ行く。」
コラボレーション企画「利之、京都へ行く。」
ドラマはいよいよ佳境へ・・・。
予告では来週が最終回なんだそうだ。
最終回を前にして、
新米女将・上羽鴨の成長に伴い
仲居さんや板場の人たちが団結し始めた。
ドラマが始まった頃の一癖も二癖もありそうな
登場人物の秘めた思いが明らかになる中で、
ついに残された謎は、梅垣鈴風と衣川周平の二人に絞られた。
一年間過ごした大学寮を出てほどなくして、
僕は定期のアルバイトを始めた。
仕事はケーキ屋のウェイター。
そこで大学4回生のMさんと知り合った。
(関西では◯年生ではなく回生という)
長身で痩せ型、黒縁の眼鏡をかけた風変わりな人で、
独特のお洒落センスと知識を持っている人だった。
若者向けのカルチャー雑誌を出版している大手出版社に就職した。
この人から誕生日に本をプレゼントされた。
ダニエル・キイスの「アルジャーノンに花束を」。
(氷室京介にも同名の名曲があったなぁ)
本にはメッセージとサインも記されていた。
僕が長野にやってきてしばらく経った頃、
何の気なしに笑っていいとも!のテレフォンショッキングを見ていたら、
タモリさんに呼ばれてポスターを貼る役であのMさんが出てきた。
謎めいていて得体の知れない生粋の京都人だったMさん。
彼は今どこで何をしているだろうか。