■再び…「痛みで下山できない」
7月14日には外国籍の女性2人がヘリコプターで救助されました。2人は12日にも登山中に遭難して救助されていました。
救助されたのは、いずれも自称でマレーシア国籍の43歳の女性とシンガポール国籍の39歳の女性の2人です。
警察によりますと、2人は4人パーティで白馬村の猿倉登山口から白馬岳を目指していました。
12日午後5時半ごろ、標高約2600メートルの小雪渓付近で、一緒に登っていた女性が「同行者3人が行動できなくなった」と警察に救助を要請。北アルプス北部地区山岳遭難防止対策協会救助隊が出動して午後8時半に山小屋まで同行、救助しました。
しかし、救助された3人のうち2人は山小屋に滞在中に回復せず、自力下山が困難となったため、13日夕方、本人らが「痛みで下山できない」と警察に救助を要請。2人は12日に救助を要請する前に滑落、転倒していて、痛むのをがまんしていたということです。警察は14日午前6時前に県警のヘリコプターで2人を救助しました。
マレーシア国籍の43歳の女性は顔面など、シンガポール国籍の39歳女性は腰などを負傷しましたが、軽傷とみられています。
■警察「遭難者は準備不足」
1回の登山で2度遭難することになったいずれのケースも、猿倉から白馬岳に1泊2日の予定で入山していました。
長野県は技術や体力に応じた登山をしてもらうため、県内の一般的な登山ルート123について、難易度や必要な体力度を示した「信州 山のグレーディング」を公表しています。それによると、猿倉から白馬岳に登るルートは、体力度は10段階のうちの「5」、技術的難易度は5段階評価で3番目の「C」となっています。
このルートはコースタイムで4時間以上の雪渓歩きがあり、滑落や上部からの落石の危険がある一方、真夏でも涼しく、北アルプスを代表する人気のルートです。
しかし、長野県警は2度遭難したいずれのケースも、「登山者は最低限の装備は持っていたが、本人の技量や体力からすると準備不足だったと考えられる」として「白馬大雪渓は入門ルートではない」と警鐘を鳴らしています。
登山の際は「アイゼンに加えてピッケルやストック、防寒着などは必携。SNSには『難しい行程も1日でアイゼンなしで行けた』といった情報も載っているがうのみにしないで欲しい。コースタイムも参考に各々の体力、技量に合わせ余裕を持った計画を立て、現場で自分には厳しいと思ったら引き返す勇気を持ってほしい」と呼びかけています。
■2025年夏の遭難者は過去最多
また、梅雨が明け本格的な夏山シーズンに入る中、長野県警は近年は疲労が原因の遭難が増えているとして、こまめな水分補給や体力に合った登山を呼びかけています。
県警山岳安全対策課によりますと、2025年7月から9月の夏山シーズンの長野県内の遭難は143件・154人でいずれも過去最多でした。
最近の傾向として、疲れがたまった状態で下山し、転倒したり体調不良になったりして遭難するケースが目立つということです。
県警では、下山時は特に足の運びに注意するとともに、熱中症を防ぐための小まめな水分補給や、エネルギー不足による「シャリバテ」を防ぐための行動食の摂取を呼びかけています。

