■ケアと家事に追われる毎日

夕飯の支度をしながら、吟糸ちゃんのケアもする母・由里絵さん
さまざまな支援に助けられているものの、平日のほとんどの時間、由里絵さんは吟糸ちゃんから目を離すことができません。
夕方、1人遊びをする吟糸ちゃんを気にしながら、夕飯の支度。
しかし―。
母・由里絵さん:
「ういちゃんういちゃん、それはさ―」
ケアと家事に追われる毎日。
母・由里絵さん:
「仕事はしたいですね。集中してやれる時間があったらありがたいですね」
吟糸ちゃんの退院後、在宅で仕事ができればと思っていましたが、断念しました。
吟糸ちゃんのケアだけでなく、2人の兄の予定や、自らの休息も必要です。
「レスパイト入院」=病院に短期間、入院させることができる施設も県内には少なく、利用できずにいて今後に不安もあります。
母・由里絵さん:
「今後、年を重ねたときに、今の体力のままいけるかっていうと、そうではないので」
■家族が支え合って過ごす夜の時間

吟糸ちゃんの口に食事を運ぶ父・竜也さん
午後6時すぎ、2人のお兄ちゃんと父・竜也さんが帰宅。
この日のメニューは野菜たっぷり、豆乳仕立てのシチュー。吟糸ちゃんの分は、ミキサーにかけます。
母・由里絵さん:
「宿題は?ある?」
兄:
「音読だけ」
母・由里絵さん:
「今やっちゃえば?」
兄:
「やだー!」
兄弟と入浴をすませた竜也さんも協力して、夕食の準備です。
「いただきます!」
2人の兄の話を聞きながら、まずは由里絵さんが吟糸ちゃんの口に食事を運びます。竜也さんが食事を終えると、交代。
父・竜也さん:
「お互いを見て動く、みたいな。病院にいるときからそうですけど、(ケアや情報を)なるべく共有してお互い話すように」
食後は、絵本の時間。お兄ちゃんとのにぎやかな時間も、吟糸ちゃんの成長につながっています。
夜は由里絵さんが2人の兄の寝かしつけを担当。吟糸ちゃんには竜也さんが寄り添います。
午後8時半、就寝―。
この1日が、高橋さん家族にとっては日常です。
■「ちいさなタカラモノ」に感謝

「ちいさなタカラモノ 664gの命とNICU600日」(※インターネットで販売)
由里絵さんはこのほど、吟糸ちゃんの出産から退院までの手記「ちいさなタカラモノ」をまとめました。
ゆっくりでも着実に成長していく吟糸ちゃんの子育てを通して感じたことは―。
母・由里絵さん:
「全然(成長が)進んでないじゃんってもどかしかったけど、次に前へ進むためのパワーをチャージする時間なんだととらえるようになって、立ち止まるときも大事だし、パワーチャージする時間っていうのが、すごく大事」
本の締めくくりに書かれた言葉。
「母は、あなたたちと出会えて、とても幸せです」。
ちいさな宝物に感謝を込めて。
高橋さん家族も、吟糸ちゃんも、一歩一歩、前に進んでいます。

