■「地域に必要」製造業が承継

テヅカ精機・手塚良太社長
それでも、「水車家」が今も営業を続けられているのは―。
テヅカ精機・手塚良太社長(40):
「なくなっちゃうというのは、地域にとって余計に人口減少を加速させるひとつの要因になってしまうんじゃないかなと思うので」
地元の製造業・「テヅカ精機」が店を引き継いだからです。
会社は主力の電子部品の組み立てのほか、住宅建設、クリーニング事業など「経営の多角化」を進めています。
飲食業の経験はありませんでしたが、付き合いのあった古田さんが、閉店後の対応に悩んでいることを知り、引き継ぐ決断をしました。
■理念は「まちづくり」への貢献

そばをゆでる古田さん
好評のそばはもちろん、広い宴会場は人が集まる拠点にもなっていて、「地域に必要な店だ」と考えたのです。
テヅカ精機・手塚良太社長:
「会社が掲げる理念『ものづくりからまちづくりへ』っていう理念を目指す上で、ここがなくなるとか、この地域が衰退するっていうのはありえないというか。自社の理念に向かっていくために絶対そういうのも大事」
閉店から4カ月後に店を再開させ、5月、正式に譲渡されました。
古田さんにとって、経営は企業に任せつつ「水車家」の看板を守ることができる―。願ってもない申し出でした。
古田秀行さん:
「今まで35年やってきた、慣れた仕事がそのままできる。いつもと同じことを丁寧にやればいい」
■家族で守る変わらない味と場所

接客を担当する妻・昌江さん
「水車家」はもともと家族経営。
50年ほど厨房に立つ母・典子さん(79)は主に天ぷらを担当。妻・昌江さん(56)は接客担当。長男・健介さん(28)も調理を手伝います。
3人とも従業員として店に残り、変わらぬチームワークを発揮しています。
古田さんが打ったそばやこだわりのつゆ、人気の天ぷらなど、メニューや味も一切変わりません。
客:
「20年くらい前から、いつもおいしいから、つられて来るんです(笑)」
「どこの店も大変な時代なので、続けていけるということでよかったですね」
母・典子さん:
「おいしいって声が聞こえてくるから、そのまま続けていければいいな」

