■「故郷のパンが恋しくて」夢を形に

吉田・デイコフ・マリアさん
マリアさんの本名は、吉田・デイコフ・マリアさん。
10年前、来日してすぐに故郷のパンが恋しくなりましたが、当時はなかなか本格的なドイツパンが手に入らず「自分で作らないと」と思ったのが始まりだったといいます。
最初は趣味として作り始めたライ麦パンでしたが、奥が深くとても楽しいと感じるようになり、「いつか店を持てれば」という夢を温め続けました。
現在は、建築士の夫が建てた店舗で、週2日だけ店を開いています。
一人で切り盛りする小さな店には、地元の常連客が集まり、「いつも全種類買って帰る」という顔なじみも現れました。
吉田・デイコフ・マリアさん:
「自分の好きな味をお客さんとシェアできて、話ができて、もう本当にとっても楽しいです」
■ライ麦100%は「おにぎりのご飯」

ライ麦100%
グーテ・ラウネが誇るラインナップの中で一番人気なのが、ライ麦100パーセントのパン。
吉田・デイコフ・マリアさん:
「なかなか日本では手に入らないようなドイツパンってなると、ライ麦の配合が多いもの」
客の要望から生まれたという、ライ麦100パーセントは今や店の看板商品に。
薄くスライスして食べるこのパンは、しっとりとした食感にライ麦のうまみと香ばしさが広がり、外側はサクサクとした食感が心地よい。
マリアさんはこのパンを「おにぎりのご飯みたいなもの」と表現します。
吉田・デイコフ・マリアさん:
「基本的におにぎりでおいしい具は、このライ麦パンもおいしい」
昆布も明太子も、残ったパスタのソースも合うと言います。
「何を乗せても負けない」という懐の深さが、このパンの最大の魅力といえるでしょう。
■特徴的な製法 8年継ぐ自家製酵母

ドイツパン
マリアさんのライ麦パン作りには、2種類の特徴的な製法が取り入れられています。
一つは「湯種」と呼ばれる製法で、もちもちとした食感やしっとり感を長く持続させるために用いられています。
もう一つは、8年間種継ぎをしている自家製酵母を生地に加えること。
こうした手間を惜しまぬ積み重ねが、軽やかな食感と深い味わいを生んでいます。
ライ麦50パーセントのパンはプレーンのほか、くるみ、レーズンなど実が入ったものもあります。
スープ系の料理には、「ライ麦100パーセントよりライ麦50パーセントを合わせるのがおすすめ」と、マリアさんは食べ合わせのアドバイスも惜しみません。
カマンベールチーズとはちみつを合わせると、ライ麦の風味がライトに感じられ、食べやすさが増します。

