■旅館再開の足がかりは「そば」

そばを打つ高宮さん
旅館再開の足がかりにと目をつけたのが「そば」です。
2022年から長野県山形村のそば店でアルバイトをしていた高宮さん。
店主からそば打ちを習っていたこともあり、まずは、そばの提供から始めようと決断しました。
高宮喜恵さん:
「大将の方から『旅館がそのまま休んでいるのなら、そこでゆくゆくはやったらどう?』と。奈川のそばを提供できる場所にもなるかな」
■甘みが強い「奈川在来」十割そば

季節のそば御膳(2200円)
高宮さんが打つのは、奈川で古くから栽培される「奈川在来」の十割そばです。
高宮喜恵さん:
「奈川在来、甘みが強くてすごくおいしいんですよね。大将のようにいかないんですけど。なかなか、まだまだ。やらせてもらいながら」
1時間ほどで10人前を打ちます。
鶏モモ肉や油揚げ、青菜などが入った具だくさんの温かいつゆと一緒に食べる「とうじそば」や、タラの芽やフキノトウなどの季節の食材を使った天ぷらの盛り合わせ。
ざるそばに8つの小鉢が付く「そば御膳」がおすすめです。
■兄も応援「母の思いつなげたい」

土日祝日のランチタイムに営業
2026年2月から土日祝日のランチタイムに営業を始め、少しずつ客も増えてきているということです。
神奈川から来た客:
「うちの方で食べているそば屋とは全然違う。そばの香りがすごくする」
東京から来た客:
「歯応えがあって、そばの風味も感じられて、とてもおいしかった」
普段は一人で切り盛りしていますが、4月29日は、奈川でガソリンスタンドを経営する兄の澄男さん夫婦が手伝いに訪れました。
兄・澄男さん:
「両親が残してくれたこの建物がどんどん朽ちていく。何とか復活させたい、でも手がないな、というところに妹が戻ってきてくれて、母の思いをつなぎたいと。うれしいですね」
■「ここでの時間を楽しめる宿に」

旅館 鳥屋沢(長野県松本市)
高宮喜恵さん:
「お部屋は変わっていないです」
近く旅館営業も再開します。
業者や友人などにも協力してもらい、2年ほどかけて厨房や部屋の清掃、出入り口の戸の修繕などを進めてきました。
最大3人までの和室を4部屋用意していて、5月15日から宿泊の受け入れも始めます。
温かく客を迎え入れていた母親の思いを受け継ぎ、奈川での滞在を楽しんでもらえる旅館にしたいとしています。
鳥屋沢・高宮喜恵さん:
「お客さんにどうやって喜んでもらえるかを考える、そういう気持ちに常に立っていたい。母がそうだった。そういう思いを大事にして、お客さんになるべく満足していただけるように。旅の途中でただ泊まって帰るのではなくて、ここの時間を楽しんでもらう、そういう宿にできたらいいな」

