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100年超の歴史…“担い手不足” 天竜川で川下り舟 初の「船頭体験会」 長野・飯田市

「船頭体験会」

天竜川で川下り舟を運航する長野県飯田市の会社が、船頭の仕事に興味を持ってもらおうと、初めての体験会を開きました。

波しぶきがあがる川を進む天竜川の川下り舟。100年以上の歴史がある伝統の遊覧船です。

飯田市の運航会社が先週末、初めて、ある体験会を開きました。

船頭:
「上にあげていきたいので真下に差すと力が上に行くので少し下流側にさして」

参加者に教えていたのは操船技術。船を操る船頭の仕事の体験会です。

企画した背景にあるのは、担い手不足です。

運航会社によりますと、高齢化で離職が相次ぐなどして、現在の常勤の船頭は4人だけ。

運航には1つの舟に船頭2人が必要なため、以前は毎日5便ほど運航していましたが、現在は平日2便、繁忙期でも最大4便までとなっています。

団体客の乗船予約を断ることもあると言います。

急務となっている担い手の育成。体験会は、船頭の仕事に興味をもってもらおうと初めて企画し、市内外から5人が参加しました。

参加者は、実際に舟に乗り「櫂(かい)」でこいだり、「棹(さお)」を使って方向転換する動きなどを体験しました。

飯田市内から:
「理屈では分かっていても頭で思ったことを思い通りに船を動かすことは難しい。水を見るとか、流れに乗せることは難しい」

飯田市内から:
「波を読んだり、『櫂』を操るとか難しくて、それを含めて楽しかった。もし(船頭に)なったら客と一緒に天竜川を楽しみたい」

「天竜川和船下り」を運航する南信州リゾート・木下明支配人:
「初めてにしては皆さん上手にさおを使って上手に櫂をこいでいた。この地域を大事にする天竜川を大事にする船頭になってくれたら」

「船頭体験会」は、2026年2月まで、土日を中心に開く予定で、2026年春からは川下り舟の歴史や、操船技術を学ぶ「育成プログラム」も始める予定です。

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長野放送ニュース