■非加入者の利用は「不公平だ」

ごみ集積所
上田市では―。
上田市では10月、この問題について市と自治会連合会が議論しました。
上田市環境部・若林昭さん:
「集積所の設置にあたり設置費用を負担していない非加入者が利用することに関して、不公平感があるとご意見をいただきました」
加入者から費用を集め約40万円かけて「集積所」を設置した自治会や分別のルールを守らない非加入者がいる自治会から特に強い不満があがったということです。
■非加入者の利用の拒否は難しい…

ごみ集積所
では、自治会側が非加入者の利用を拒否する権利はあるのでしょうか?
市などによりますと、基本的に「ごみの処理」は行政サービスの一環で、税金を払っている以上、なかなか難しいということです。
長野県立大の田村教授は自治会ごとにルールを設けることも解決策の一つだと言います。
長野県立大グローバルマネジメント学部・田村秀教授:
「(使用を)拒否するということ自体、非常に問題がある。(一方、自治会に)入ってないけど自分は捨てたいっていうのはある意味『タダ乗り』『フリーライダー』みたいなところになるので、(非加入者も)何らかの費用は払うというのが本来、現実的。管理する人たちの手間、コストとのバランスが必要」
■「非加入者用の集積所」検討方針

ごみ集積所
一方、上田市と自治会連合会の議論の中では「行政が管理すれば」という意見も出たということです。ただ、現在の職員数では市内に約4000カ所あるすべてを管理するのは難しいということです。
議論の結果、市は「非加入者用の集積所」を試験的に設けることを検討する方針を自治会側に伝えました。
上田市環境部・若林昭さん:
「非加入者が出されていた自治会内の集積所から非加入者専用の集積所への利用が促されることが考えられます」
ただ、この方法で「不公平感」が拭えるかは分かりません。また、さらなる問題も懸念されます。
若林さん:
「非加入者専用の集積所を設置することにより自治会を脱会される方も発生するのではないかという可能性も懸念される。まずはスモールスタート、試験ですので、ごく少数で始めて効果を検証」
上田市は今後、実態把握のためアンケート調査を行い対応を検討していくことにしています。
■時代や地域にあった「自治会」を

ごみ集積所
住民自らが地域を守る協同組織「自治会」。加入は強制ではありません。生活スタイルや考え方の変化。田村教授は時代や地域の実態に沿った「在り方」をアップデートしていくことが必要だと話します。
長野県立大グローバルマネジメント学部・田村秀教授:
「長い目で見て防災とか防犯とか地域の人たちがつながっているということは、決して悪いことじゃないと、多くの人が考えてくれるといいんじゃないか。各地域によって状況違いますから、地域にあったものを自治会の関係者、住民の皆さん、そしてそれぞれ市町村が考えてくしかない」

