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受刑者が作る製品に独自ブランド「ナガノ・プリズン」 ロゴ入りシリーズが人気に 考案したのは38歳の作業専門官 受刑者の励み、作業に前向きな姿勢

『P』は鍵をイメージ

しかし、売り上げは年々減少。さらに2020年ごろからはコロナ禍で販売の機会も減ってしまいました。

そこで、長野刑務所の刑務作業と製品を多くの人に知ってもらいたいと「独自ブランド」をつくることを決めました。

長野刑務所 作業専門官・滝沢義明さん:
「(これまでは)長野刑務所製と強調した製品がなく、その点から“独自性”と強調して矯正広報につながると考えた」

■「マル獄」シリーズを参考に 

第1弾のエプロン(大人用4250円 子ども用2350円)

参考にしたのは滝沢さんが7年前まで勤務していた「函館少年刑務所」。2006年から「獄」の漢字をロゴにした「マル獄」シリーズを売り出し、一躍注目を浴びました。

今でも人気は続き全国の刑務所で作られています。

そして、滝沢さんが3年前に考案したのが「ナガノ・プリズン」のロゴマークです。

第1弾としてまず「ロゴ入りエプロン」を作りました。カラーは6色、大人用と子ども用の6サイズあり、エプロン自体にもこだわっています。

長野刑務所 作業専門官・滝沢義明さん:
「腹がけをイメージしたエプロン。レトロ感を出したくて、生地もビンテージ風に色を落として染めむらを出しオリジナルのものに」

第2弾の女性用の革スニーカー 22.5~24.5cm(1万1000円)

そして、第2弾として2025年、販売を始めたのが女性用の革スニーカー。

牛革を使い200グラムと軽いのが特徴です。

比較的、長期刑の受刑者が多い長野刑務所。完成まで時間がかかる革製品も多く作られています。

革の靴はもともと売れ筋の一つでしたが、ロゴを入れてさらに人気が出たということです。

■受刑者の励みにも

矯正展

10月4日の矯正展でも「ナガノ・プリズン」シリーズは大人気。

「ナガノ・プリズン」スニーカーを購入した人:
「履きやすかった、柔らかくて軽い。(ロゴも)かわいいなって思った」

「ナガノ・プリズン」エプロンを購入した子ども:
「この色(にした)。ピンクが好きだから」

母親:
「ロゴもかわいい。よく見ると鍵穴になっていて、プリズンブランドは個人的にすごく好き。持ちもいいので、今年、子ども用にこれ(エプロン)が出てかわいいなって」

作業の様子

刑務作業の製品には通常、製造元は表示されません。

ロゴマークを入れたことで受刑者の励みにもなっているということです。

長野刑務所 作業専門官・滝沢義明さん:
「受刑者が作業意欲に対して前向きな姿勢が出ていると感じている。製品を作る過程では受刑者が『先生この品質でいいんですか、自分はもう少し精度を高めたい』と。こちらが要求する以上の反応を返すように」

「ナガノ・プリズン」シリーズ

長野刑務所の受刑者が手がける「ナガノ・プリズン」シリーズ。

人気を受け今後は、小物の革製品などさらに種類を増やしていきたいということです。

なお、製品は刑務所内の作業製品展示場でも販売しています。

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