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猫39匹が置き去り「多頭飼育崩壊」 保健所が保護…収容限度超え「譲渡会」 8歳メス「キラ」を引き取った家族の新生活 過酷な環境で過ごし縮まらない距離…「毎日少しずつ近づいている」動物愛護週間

譲渡会

8月の譲渡会から1カ月余り―。

39匹の猫たちは30匹が譲渡されました。2匹は病気で死んでしまい、今、保健所には7匹が残っています。

多頭飼育崩壊で保護された猫のほとんどは、飼い主と触れ合ったり、声をかけられたりする機会があまりなく人慣れしていません。

この日の譲渡会でも固まったように動かない多頭飼育崩壊の猫をよそに人懐っこい猫が人気でした。

休日譲渡会に参加した人:
「(自分が)座っていると膝に乗ってきたり、今までそうだったので、そういう猫がいいかな」

長野市動物愛護センター・関口徳之さん:
「臆病だったり、とっつきづらそうな猫だと、譲渡に時間がかかる。気長に慣らしていただける、慣れなくても生涯面倒見てもいいよと、そんな気持ちが譲り受けてくれる方には必要になる」

ペットの慰霊祭

譲渡会と共に行われたペットの慰霊祭。2024年度、譲渡先が見つからないまま長野市保健所で一生を終えた保護猫は18匹でした。全体の14%に当たります。

以前は定期的に行っていた殺処分も、今は苦痛を取り除くためやむを得ない安楽死だけ。多くは病気や高齢による自然死です。

青井千穂さんと娘の奏和さん

「キラ」を譲り受けた青井さんは当初、他の猫を希望していたそうです。抽選で漏れ、残った中から「キラ」を連れ帰りました。

青井千穂さん:
「キラを引き取ってよかったよね。他の猫でもそう思うよね」

娘・奏和さん:
「(キラと)たくさん遊びたい。(遊べるようになるかな、どう?)あんまり(そう)なんないと思う」



くつろぐ「キラ」

飼い始めてから1カ月ほど。少しずつですが変化も見えるそうで。

「ニャン、ニャン」

青井千穂さん:
「人がいなくなると鳴き声がするんです。寂しいとか、いてほしいって思ってくれているのかな」

娘・奏和さん:
「(どんなふうに鳴く?)子犬(みたいに)」

青井千穂さん:
「子犬みたいにかわいい声だよね」

さらに9月22日の夜には―。

(青井さんからのメッセージ)
「さっき、ついに私の座る近くでくつろぎ始めました。まだ慣れないし、動くと逃げちゃうので動けないですが、感動中です」

「キラ」

「キラ」のペースで少しずつ距離を縮め、それを楽しむ家族。過酷な環境を生き抜いた猫たちが、人と一緒に幸せになれるよう願いながら毎日を過ごしています。

青井千穂さん:
「人間の思うようにはいかない。それがまた本当にかわいい。毎日毎日、ちょっとずつちょっとずつ、近づいてきてるのかなって思いながら」

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