「全ての質問に黙秘します」青木政憲被告（34）　長野4人殺害事件　検察官「語らなければ、遺族は一生、疑問を抱えながら生活することになる」と諭すも…最後まで何も語らず

青木政憲被告（2023年5月）

長野県中野市の4人殺害事件の裁判で、9月10日から被告人質問が始まりました。青木政憲被告は最初に「全ての質問に黙秘します」と話し、検察官から諭される場面もありましたが、最後まで何も語りませんでした。

初公判の廷内スケッチ（イラスト：一色こうき）

殺人などの罪に問われている中野市の青木政憲被告（34）。

起訴状などによりますと、2023年5月、散歩していた女性2人をナイフで刺して殺害した上、駆け付けた警察官2人を猟銃とナイフを使って殺害したとされています。

9月4日の初公判で青木被告は、起訴事実について、「黙秘します」と述べていました。

注目された9月10日の被告人質問。

まず、弁護側が質問に立ちました。

弁護人：
「私の質問に答えられそうですか？」

青木被告：
「全ての質問に黙秘します」

弁護人：
「何かあなたから言いたいことはありますか？」

青木被告：
「何もありません」

青木被告はこのように答え何も語りませんでした。

事件現場（当時）

続いて、検察側の質問では。

検察官：
「なぜ黙秘するんですか？」

青木被告：
「その理由についても黙秘します」

検察官：
「取り調べの中で警察官、検察官に対しても自分がやったことを話しましたね？」

青木被告：
「黙秘します」

このあと、検察官は、「あなたが事件のことを語らなければ、遺族は一生なぜなんだろうと疑問を抱えながら生活することになる」「考えを改めて、何があったのか、あなたの口から話してもらえませんか？」と諭しましたが、青木被告の態度は最後まで変わりませんでした。

裁判は、被告の「刑事責任能力」と「量刑」が主な争点で、9月11日も被告人質問が予定されています。