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【戦後80年】「特攻隊」若い航空兵もここから…「旧陸軍伊那飛行場」格納庫の基礎部分を公開

「旧陸軍伊那飛行場」跡の発掘調査 現地説明会

「旧陸軍伊那飛行場」跡の発掘調査が続いています。8月20日、伊那市教育委員会の現地説明会が行われ、格納庫の基礎部分が公開されました。

8月20日、伊那市上の原地区の旧陸軍伊那飛行場跡で市の教育委員会が進める発掘調査の説明会が開かれました。

分厚いコンクリートの構造物は、格納庫の基礎にあたる部分です。

伊那市教委 生涯学習課・熊木奈美さん:
「先に穴を掘って木枠を入れて、その中にコンクリートを流し込んで作ったのではないか」

説明会に出た住民:
「見えるところを眺めていただけなので、細かなことを知らなかった。掘ってみたら、2メートル下まであるというのはびっくりした」

飛行場は天竜川左岸にあり、150ヘクタールの敷地に長さ2000メートルの滑走路がありました。住民も工事に動員して1944年2月に完成。主に若い航空兵などの訓練に使われ、特攻隊員として戦地に向かった者もいたといいます。

戦後80年、跡地は田畑や住宅に変わりました。遺構が県道の予定地になったのを受けて6月から発掘調査が行われています。

こちらは当時の格納庫を再現した模型で、今回発掘したのは建物の隅にあたります。
折り畳み式の「引き戸」を収納する「戸袋」のガイドレールとみられる溝が確認できました。

ただ、基礎のコンクリートの劣化が進み、移設のため持ち上げると崩れる恐れがあることもわかりました。今後、保存方法を検討するということです。

説明会に出た住民:
「残っているということが大事な。そういう歴史があったんだということは消さない方がいい。残せたら残してほしい」

伊那市教委 生涯学習課・熊木奈美さん:
「飛行場の存在、格納庫の存在が、地元にとっても市にとっても非常に歴史的に価値のあること。いい形で後世に伝えていければなと思います」

飛行場跡の発掘調査は8月末まで行われます。

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