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【戦後80年】「特攻隊」少年兵もここから…96歳が語る“秘密の飛行場” 「赤とんぼ」のプロペラなど次々と新資料が発見 “物言わぬ証言者”次世代へつなぐ「戦争遺跡」 #戦争の記憶

■飛行場跡地での発掘調査

伊那飛行場 第二格納庫跡

この伊那飛行場の歴史を後世に伝える取り組みが広がっています。7月31日、飛行場の跡地で伊那市による発掘調査が行われていました。

伊那市教委・熊木奈美主事:
「亀裂みたいになっているんですけど、ここは格納庫の基礎を入れる時に掘られた穴です」

1.4メートルほど掘った所に、天竜川から運んだ丸石を積んでコンクリートで固めた、格納庫の基礎が確認できました。

伊那市創造館の展示

資料をもとに格納庫を再現した模型。今回調査したのは、建屋の基礎や扉を収納する部分です。

伊那市教委・熊木奈美主事:
「戦後80年ということで、当時の記録・記憶を証言できる方もだいぶ少なくなっている中で、構造物として今も変わらず残るという意味では、一つの時代のシンボル、思い出させるものとして、地域の方々で大事にされてきたものだと思います」

伊那飛行場 第二格納庫基礎

80年間、残されてきた「戦争遺跡」。しかし一帯では道路の建設が予定され、この場所は計画地に位置しています。地元住民から「保存してほしい」という意見が多く寄せられていて、今回の調査は保存方法などを検討するのが目的です。

伊那市教委・熊木奈美主事:
「過去の記録・記憶と単にそこに留まるのではなく、今の若い世代にも実感をもって伝えられていくような記録を今の時点でできる限りのことはしたいなと思っています」

■発見された貴重な「赤とんぼ」のプロペラ

発見されたプロペラ(伊那市創造館)

長さ2.5メートルもの木製のプロペラ。伊那飛行場を飛んでいた「赤とんぼ」のもので、2025年、市の民俗資料館の倉庫で発見されました。

伊那市教委・濱慎一学芸員:
「これを見ると本当に伊那の地に戦争に使うための飛行場があって、こういう飛行機が飛んでいたんだなってことが身近に思えますよね」

伊那市教委・濱慎一学芸員

伊那市教育委員会の学芸員、濱慎一さん(48)です。

濱さんは市民に飛行場に関係する資料の提供を呼びかけ、再現模型などを展示した企画展を2024年から開いています。

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