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「ヨーロッパと同じことはできない」長野の高原で広がる“クラフト生ハム”の世界 元シェフが追求する独自の発酵技術

広がる信州のクラフト生ハム文化

 

藤原さんのクラフト生ハムは、県内外のレストランで高い評価を受けています。坂城町のワイナリー併設レストランでは、シェフの小出克典さんが藤原さんの生ハムを使った創作料理を提供。3年熟成した生ハムをシューに挟んだ前菜や、長野県で養殖が盛んな「シナノユキマス」と生ハムを組み合わせた一皿などが並びます。

「お醤油とかお味噌の代わりに、藤原さんの蓄積された長い旨味を凝縮したものとして、ソース代わりに食べていただけるように」と小出シェフ。

藤原さんも「こちらの意図を理解してくれていて、本当に嬉しいです」と感慨深げに語ります。

さらに藤原さんは、自らの工房でワークショップを定期的に開き、多くの人に生ハムの奥深さを伝えています。また、地域おこし協力隊として長野に移住してきた野沢健太さんなど、信州の気候を生かしたクラフト生ハム生産者は少しずつ増加中。藤原さんは後進の指導にも力を入れています。

「みんなで集まって、力を合わせて調べたり、研究したりして解決していかないといけない。仲間が増えるのはいいことです」と藤原さん。

標高1500メートルの高原で、これからも変わらぬ手仕事が続いていきます。「やっぱり『美味しいものを作る』ってこと。それが一番大事です。自分が『これはいいな』と思うものを送り出したい、ただそれだけです」

※本記事は、NBS「フォーカス信州」2025年7月25日放送回
「信州クラフトの味~つくる人と、味わう人と。~」をもとに構成しています。

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