
夫・繁利さん
「アイリスおばあちゃん」と呼ばれ、多くの人に親しまれるようになった鮒田さん。
しかし、8年前、一緒に苦労を重ねてきた夫・繁利さんが亡くなりました。
鮒田さん:
「寂しいなんて言ってられない、忙しい時だから。娘にも、『ばあちゃんよかったな、ボケ防止に。じいちゃんに(アイリス)残してもらって』って」
「亡き夫と育ててきたアイリス園を守る」。そう決意しましたが、3年後に新型コロナの影響を大きく受け、客は大幅に減少。
しかし、持ち前の明るさと友人たちの手も借りて、苦難を乗り越えました。

接客する鮒田さん
規模は縮小しましたが、2025年も1500株ほど花を咲かせました。
ただ、鮒田さんの仕事の役割に変化がありました。
2024年までは花の手入れや、販売する球根の掘り出しも鮒田さんが中心にやってきましたが、2025年から力仕事は親戚が手伝うようになりました。
鮒田さんの役割は客のお出迎えに。

閉園を決めた鮒田さん
鮒田さん:
「もう年です。ちゃんと決まりをつけないといけないと思って、やめることにしました」
2025年、95歳になった鮒田さん。
足腰の衰えや耳が遠くなったことから、今シーズン限りでの閉園を決めました。

ジャーマンアイリス
この日、閉園を知った、なじみの客がアイリス園を訪れていました。
長野市から:
「素晴らしいね、色合いと姿・形。せっかく買っていくから、もし増やしたら他の人にも譲ってあげたいなって思っています」
長野市から:
「それこそ私らに負けないくらい掘ってくれたり、すごかったね」
すでに花の見頃は過ぎていますが、多くのファンが訪れ、球根を買い求めていました。
客:
「寂しいよね、来年は来られないとなると。これほどじゃないけど増やして」
「みんなに楽しんでもらいたいよね」

接客する鮒田さん
もう「アイリス園」で鑑賞することはできません。
「おばあちゃんとの思い出を」。来年は、自宅で花を咲かせ、楽しみたいと考えています。
客:
「おばあちゃんに会いたくて来たんだけど、おじいちゃんの頃から付き合っていて」
鮒田さんとおしゃべりをしたいと訪れる客も絶えません。
客・坂城から:
「おばあちゃんの顔見たくて」
鮒田さん:
「そうですか、こんな顔でも?(笑)しわだらけ」

