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「もうやり遂げた」95歳“アイリスおばあちゃん”の思い 35年守った観光農園の歴史に幕 夫と始め、亡きあとも継続 「感謝」を胸に愛する地に別れ

夫・繁利さん

「アイリスおばあちゃん」と呼ばれ、多くの人に親しまれるようになった鮒田さん。

しかし、8年前、一緒に苦労を重ねてきた夫・繁利さんが亡くなりました。

鮒田さん:
「寂しいなんて言ってられない、忙しい時だから。娘にも、『ばあちゃんよかったな、ボケ防止に。じいちゃんに(アイリス)残してもらって』って」

「亡き夫と育ててきたアイリス園を守る」。そう決意しましたが、3年後に新型コロナの影響を大きく受け、客は大幅に減少。

しかし、持ち前の明るさと友人たちの手も借りて、苦難を乗り越えました。


接客する鮒田さん

規模は縮小しましたが、2025年も1500株ほど花を咲かせました。

ただ、鮒田さんの仕事の役割に変化がありました。

2024年までは花の手入れや、販売する球根の掘り出しも鮒田さんが中心にやってきましたが、2025年から力仕事は親戚が手伝うようになりました。

鮒田さんの役割は客のお出迎えに。

閉園を決めた鮒田さん

鮒田さん:
「もう年です。ちゃんと決まりをつけないといけないと思って、やめることにしました」

2025年、95歳になった鮒田さん。

足腰の衰えや耳が遠くなったことから、今シーズン限りでの閉園を決めました。

ジャーマンアイリス

この日、閉園を知った、なじみの客がアイリス園を訪れていました。

長野市から:
「素晴らしいね、色合いと姿・形。せっかく買っていくから、もし増やしたら他の人にも譲ってあげたいなって思っています」

長野市から:
「それこそ私らに負けないくらい掘ってくれたり、すごかったね」

すでに花の見頃は過ぎていますが、多くのファンが訪れ、球根を買い求めていました。

客:
「寂しいよね、来年は来られないとなると。これほどじゃないけど増やして」
「みんなに楽しんでもらいたいよね」

接客する鮒田さん

もう「アイリス園」で鑑賞することはできません。

「おばあちゃんとの思い出を」。来年は、自宅で花を咲かせ、楽しみたいと考えています。

客:
「おばあちゃんに会いたくて来たんだけど、おじいちゃんの頃から付き合っていて」

鮒田さんとおしゃべりをしたいと訪れる客も絶えません。

客・坂城から:
「おばあちゃんの顔見たくて」

鮒田さん:
「そうですか、こんな顔でも?(笑)しわだらけ」

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長野放送ニュース