
酒母仕込み
この日は最初の工程となる「酒母仕込み」。
佐久市産の米麹と酵母を混ぜ合わせ、酒のもとの「酒母」をつくります。
古屋酒造店・荻原さん:
「やっぱり疲れますね、酒造りは。3カ月なまっていた体ですので、こたえます。きょう米を触って、水に触れて、やっぱり酒造りたいと改めて感じた」
■酒母仕込み「いい状態」

「順調にふつふつと酵母が元気になっている」
2日後、酒母の状態は。
荻原さん:
「順調にふつふつと酵母が元気になっている様子が見られて、米もしっかり溶けて酵母に栄養を供給しているので、いい状態」
仕込んだ酒母はうまく発酵しているようです。
■「ふくよかな味わいの酒になるかな」

蒸し器
この日は「麹引き込み」。
酒の品質を決める麹をつくる重要な作業です。
佐久市産米「ひとごこち」80kgを約1時間蒸し仕上げます。
荻原さん:
「蒸したすぐの米の匂いをかいだり、僕らの業界では『ひねりもち』というけど、手でつぶした感覚で中までしっかり蒸せているか、伸びがどれくらいあるか確認して、蒸しあがりの状態を確認している」

「麹室」で冷まし、「種麹」を振りかけ混ぜ合わせる
蒸した米は「麹室」で冷ましたあと、麹菌のもとの「種麹」を満遍なく振りかけ、混ぜ合わせます。
荻原さん:
「思っていたよりはやわらかめの、伸びのあるしなやかな蒸しあがりになっていたので、ふくよかな味わいの酒になるのかなと」
■再開して約1か月 日本酒の味は

最終工程「上槽」 荻原さん(右)と黒澤さん
5月16日、酒造りを再開して約1カ月。
酒母や麹、水などを混ぜ約20日間、発酵させた「もろみ」。
酒造りの最終工程「上槽」の日を迎えました。
荻原さん:
「終わったという感じと、さみしさという感じと、わくわくというかどんな酒が出てくるのか、楽しみもかなり強い」

出来上がった酒の香りを確かめる荻原さん
出来上がった「もろみ」は圧搾機へ。
黒澤酒造・黒澤洋平さん:
「絞られたお酒が布を濾(ろ)されてここから出てくる」
ここで「酒」と「酒粕」に分離します。
搾りたての日本酒の味は。
荻原さん:
「含んだ時の口当たりの感じは、うちで造っていた時のお酒のような感覚があって懐かしさを覚えた。味のふくらみや酸の味わいは黒澤さんのお酒のニュアンスもあり、うちと違うところもあったので、味わっていて面白いなと」
出来上がった日本酒は古屋酒造の看板商品だった2つの酒の名前を取り「深山桜・和和和」と名づけました。