■新たなステップ「研ぎ」へ

鎌作りの21ある工程の一つ「研ぎ」
大木島さんは石田さんの初めての弟子です。
指導にも熱が入ります。
“信州打刃物”職人目指し修業中 大木島蓮さん(19):
「ここはもうちょっとあれした(叩いた)方がいいですかね」
“師匠”石田俊雄さん(74):
「いい角度で取っているね」
修業を始めてまもなく1年。
これまでは鋼を叩いて形を作る「鍛造」を中心に訓練してきましたが、このほど、新たなステップに。
それは「研ぎ」です。
大木島さん:
「研ぎの工程で一番最初の作業、『荒磨き』は裏側を軽く磨く作業で、『刃付け』は基本中の基本みたいな感じです」

「研ぎ」
今、学んでいるのは鎌の形にした鋼を削り「刃」を付ける作業。鎌作りで21ある工程の17番目、仕上げに近い工程です。
大木島さん:
「刃の部分が薄いかなという感じがする」
石田さん:
「これもとは『薄刃』っていって信州鎌で一番薄い鎌だからそれでいい」
大木島さん:
「(修業は)順調ではあると思う。ただ、急いでやっている分、荒いところもあるのでそこが課題」
修業を急ぐ理由は2つ。地域おこし協力隊の任期は3年で、今は、会計年度職員として町から給与が支払われています。あと2年で1人前の職人となり、自分で稼ぐことを目指しています。
もう一つはー
大木島さん:
「イベントが3月に控えているので、その練習。信濃町の姉妹都市の、千葉県のイベントに参加する予定です」
1カ月後に控えた刃物研ぎの出張サービスです。
■”職人”として代金もらい「初仕事」

持ち込み
3月29日。
千葉県・流山市。小林一茶のつながりで1997年から信濃町と姉妹都市提携を結んでいます。
この日行われた鉄道イベントの会場で、石田さんと大木島さんが「刃物研ぎ」を行います。
“信州打刃物”職人目指し修業中・大木島蓮さん(19):
「ミスはできる限りしないように、とにかく練習でやってきたことをやろうと思っています」
あいにくの雨でしたが、早速、客がやってきました。
“師匠”石田俊雄さん(74):
「(この包丁は)一般の方じゃとても研げない、これ鋼なので、硬くてつるつるするの、でも大丈夫。うんと切れるようになりますよ」
※研ぎ料500円~