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「温泉街のシンボル」が姿消す 50年以上、華やかなネオンの光が客を迎える 約130年前の明治時代に開湯の戸倉上山田温泉 長野・千曲市

戸倉駅前のアーチ看板

特集は、街のシンボルだったアーチ看板です。長野県千曲市の戸倉駅前で半世紀以上、温泉客や住民が行きかう姿を見守ってきましたが、3月5日、役目を終えて姿を消しました。

アーチ看板の撤去作業(3月4日、11時半ごろ)

大雪となった3月4日、その看板は最後の日を迎えていました。深夜、最終電車を見送ると撤去作業が始まりました。

写真を撮る住民:
「雪がしんしんと降る中で作業、寂しさ感じますね」

アーチ看板は、しなの鉄道戸倉駅から温泉街に向かう県道で、多くの観光客を迎えてきました。

信州千曲観光局・小沼浩栄 専務理事:
「看板がまず目印で『温泉街に着いた』というイメージで昔は通ってもらったのかな。(地元住民にとっては)慣れ親しんだ当たり前の風景」

温泉街の足湯

戸倉上山田温泉は、およそ130年前の明治時代に開湯。大正時代に温泉街ができあがりました。

1960~70年代前半には企業や地域などの団体旅行ブームが訪れます。年間130万人が訪れる人気の観光地になりました。

夏まつりもにぎわいました。

名物は芸者みこし。

看板が設置された正確な時期は不明ですが、温泉が最もにぎわったその頃といいます。

以来、50年以上、華やかなネオンの光で客を迎えてきましたが、近年は劣化が激しく、文字板が落ちる危険があることもわかりました。

10年以上通う温泉客

3月3日。

温泉客:
「撮るよ」

撤去が近づくこの日、代わる代わる写真に収める人の姿がありました。

10年以上通う温泉客:
「普段は車で来るけど、雪でたまたま電車で来た。ここがすごく栄えていた証しの一つだから残念」


戸倉小の児童たち

戸倉小の児童も。

「こっちみてー」

児童:
「戸倉のシンボルがなくなる気がして悲しい」
「古いものの方が歴史とか思い出があっていい」

子どもたちも慣れ親しんだ看板。地域の人たちにとっては、様々な思い出が詰まった街のシンボルです。

市の観光局には多くの人が思い出の写真を寄せました。

撮影に来た住民:
「(アーチ看板は)いろんな人の出会いの場。ここを通って何千人もの人が戸倉上山田温泉を愛してくれた」

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