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「涙しちゃった」別れ惜しむスタッフ、客 「松本パルコ」感謝の思いを胸に40年の歴史に幕

■デートスポットだったパルコ

メッセージボード

一方、4階に設置されたメッセージボードは、感謝の言葉でいっぱい。「たのしかった思い出はずっと(ハート)」。

こう書きこんだのは、山梨県から訪れた手塚彩妙さん(34)。夫の陽介さんが大町市出身で、パルコは思い出の場所です。

山梨から訪れた手塚さん家族

山梨から訪れた・手塚彩妙さん(34):
「主人とよく恋人同士で一緒に行ってお買い物楽しんだりして、だんだん年を重ねていくパルコと一緒に歩んできた日々を思い出すな、なんて思いました」

2人のパルコから、子どもが生まれ3人のパルコへ。そして今は、5歳の三つ子が加わって6人の大所帯。この日は、ゆっくりと各階を回って買い物を楽しみました。

妻・手塚彩妙さん:
「ここで、なんか買ったよね」

夫・陽介さん:
「カバンを買った」

妻・手塚彩妙さん:
「まだお付き合いしてる頃に、2人でこっちがいい、こっちがいいとか言って買いました。笑」

夫・陽介さん:
「まだ店内のにぎわいを見ていると、閉店するんだなっていう実感は湧かなくて、お疲れさまでしたっていう感じですかね。ありがとうもそうですし、本当にお疲れさまでした」

■接客の話題では地域のことも

接客する伊藤店長

夕方過ぎ、トミーヒルフィガーでは予約販売が続いていました。

トミー・ヒルフィガー 松本パルコ店・伊藤季巳可店長:
「きょうもありがとうございます」

市内に住む窪田潔さん(66)。店長の伊藤さんは、とっておきのジャケットを用意していました。

伊藤店長:
「絶対、似合いますよね」

窪田さん:
「そう?、っていつも言われ、ついつい(笑)」

月に一度ほど、妻と街歩きの最中に店に立ち寄るようになって10年以上になります。

窪田さん:
「顔覚えていただいて、やはり接客業って名前を覚えられると親しみを感じるじゃないですか。伊藤さんはすごく、本音で話していただけるので」

会話は服だけでなく、仕事や地域の話題も。そんな伊藤さんを見込んで、窪田さんはあることをお願いしました。

定年退職後、公民館の館長を務める窪田さん。2024年11月、地区のお年寄りを対象に、路線バスで市街地を巡るツアーを企画しました。その中に閉店前のパルコを加え窪田さんは伊藤さんに店内の案内役を頼んだのです。

伊藤店長:
「うれしかったです。私に声かけてくれるんだって」

窪田さん:
「(参加した)皆さん、若返ったということで、非常にありがたかったです。(伊藤店長は)店の方と客、という関係じゃなくて、同じ松本を愛している人だと思うので」

■客の言葉に涙

客の言葉に涙する伊藤季巳可店長

パルコの閉店とともに店は松本から撤退。新たな道に進む伊藤さんを窪田さんは応援しています。

窪田さん:
「人生、山あり谷ありだと思いますけど、自分で行動することが大事だと思うので、何でも自分にプラスに、自分は運があるなと思って行動していただければいいと思いますので、期待しています」

伊藤店長:
「ありがとうございます」
「涙しちゃった。(窪田さんの)言葉が支えになって、本当にありがとうございます」

松本パルコ

暮らしに彩りを添え人と人をつなぐ場ともなってきた松本パルコ。

まもなく、その歴史に幕を下ろす日がやってきます。

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長野放送ニュース

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