
備蓄米
農林水産省が発表したスーパーで売られたコメの価格の推移です。2月上旬の5キロの平均価格は3829円で、過去最高値を更新しました。2024年の同じ時期と比べると1800円以上も上昇しています。

スーパーでのコメの価格推移
こうした中、政府が放出を決めたのが「備蓄米」です。不作の時などに備えて国が備蓄するコメのことで、価格高騰を受け、「流通の円滑化」を目的に、21万トンを放出します。初回の放出は15万トンで、3月半ばに集荷業者への引き渡しが始まり、1週間程度で卸売業者に売り渡され、そこから1週間程度でスーパーなどの店頭に並ぶ見通しです。

備蓄米放出スケジュール
備蓄米の放出でコメは値下がりするのでしょうか。県民や飲食店、卸売業者に話を聞きました。

資料
江藤拓 農水相(2月14日):
「流通が滞っている。スタックしている。上昇した価格が落ち着くこと、それは当然期待しています」
コメの価格高騰を受けて国が放出を決めた備蓄米。街の人からは値下がりを期待する声が聞かれました。
60代:
「(価格が)下がってくれればいい。消費者が買うお米の値段が安定するというか、そこそこの値段で買えるようになれば。上がったものが下がらなかったら困る」
20代:
「農業も赤字になっている方多いと聞いたので、仕方ない部分はあるが、高いなと思う」

カレーショップ山小屋の「元祖納豆カレー」
飲食店も備蓄米放出の効果を気にしています。こだわりのカレーに納豆を乗せた「元祖納豆カレー」で人気の長野駅近くのカレーライス専門店。2024年11月に最大150円の値上げを実施しました。
その大きな要因がー
カレーショップ山小屋・中村嘉郎 店主:
「一番はやっぱりお米が値上がりしているというところ」
店では、卸問屋から仕入れた県産米を使用しています。2024年夏ごろから価格が上がり始め、1月の仕入れ値は前の年の同じ時期と比べて2割から3割ほど上がりました。備蓄米放出には期待を寄せつつも、他の食材や光熱費も軒並み上がっており、厳しさは変わらないとみています。
カレーショップ山小屋・中村嘉郎 店主:
「それで価格が落ち着けばありがたい。米の値段が落ち着いたとしても、野菜、水道光熱費が上がっているので、再値上げも考えなきゃいけない中で判断が非常に難しい」
客はー
市内から:
「米を食べる頻度は減ったなという感じです。前みたいな水準にまでは戻らないとは思うが、少しでも良い影響があればうれしい」
市内から:
「備蓄米ということで、品質とかおいしさがどうなのかというのは心配」