YouTube X Instagram

「ギリギリの利益」人口472人“村唯一”のガソリンスタンド 価格高騰で経営の厳しさ増すも…地域の大事なインフラ 所長「村民に使って残してほしい」

売木村唯一のガソリンスタンド

ガソリン価格の高騰はガソリンスタンドが少ない「SS過疎地」にとっても頭が痛い問題です。売木村(長野県)唯一のスタンドは、村の補助を受けながら経営を続けていて、地域の大事なインフラを「使って残してほしい」としています。

■人口472人 村唯一の給油所

長野県の南部に位置する人口472人の売木村。村内唯一のガソリンスタンドには、冬場も車の給油や、灯油の購入のため1日に20~30人が訪れます。

1月21日時点のレギュラー価格は1リットルあたり193円。高騰の波が押し寄せています。

村民(70代):
「(昔は)1リットル100円くらいが普通だった。それが倍近くになってきましたね。車がないとやっていけないし、この地方は」

うるぎ600道の駅前PS・後藤文登 所長(66):
「過疎地の人口が少ないスタンドとしては(高騰は)すごいマイナスだなと思う。飯田の方へ行けば、いろんな値引きやってるので、そういうところへ行く方もいます」

■撤退危機に村民有志が引き継ぐ

うるぎ600給油所(2014年)

村では2014年、唯一のスタンドが設備の老朽化を理由に撤退。村内からスタンドがなくなる危機に直面しましたが、村民有志が「残す会」を立ち上げ、運営を引き継ぎました。

うるぎ600道の駅前PS・後藤文登 所長(当時):
「なくてはいけないと存続を考えた。(村は)Iターンの人も多い。村に来て住もうかと思った時にガソリンスタンドもないのかと思われたらマイナス」

設備の改修費用を抑えようと、2020年には国内初の「地上タンクのスタンド」に生まれ変わり、営業を続けてきました。

■長野の「SS過疎地」割合は全国3位

長野県内の「SS過疎地」

国はスタンドが3カ所以下の市町村を、「SS過疎地」と定義していて、県内では35町村・45.5%が該当しています。これは全国3番目の高さで全国平均の21%を大きく上回っています。

中山間部で高齢化が進む地域が多く、利用者は少ないものの、住民の暮らしに欠かせないインフラの一部となっています。

村民(70代):
「ガソリンだけじゃなくて灯油も当然、暖房に使うから本当に重要です」

村民(40代):
「村に唯一しかないし、ここがないと困るからみんなの支えになっている」

村民(60代):
「(周りの地域と)値段変わらないから、村のためにここでガソリン入れます。わざわざ走って2円、3円安い所へはしない」


  • facebook
  • twitter
  • LINE
長野放送ニュース

あなたにおすすめ