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“銭湯物語”第2幕へ 客の存続願う声がきっかけ 95年の歴史に幕を下ろして半年…後継者が現れ再開 新店長は銭湯、温泉、サウナ巡りが趣味

再開へ向け、準備が進められる桑の湯(長野県塩尻市)

特集は老舗銭湯の再出発です。2024年6月、惜しまれつつ95年の歴史に幕を下ろした長野県塩尻市唯一の銭湯。後継者を募集したところ、銭湯の再生や経営を手がける企業が引き継ぐことが決まりました。12月の再開へ向け準備が進んでいます。

■老舗銭湯が再出発

桑の湯(11月27日)

趣きのある建物。創業から95年・桑の湯です。

塩尻市唯一の銭湯として市民に愛されてきましたが、2024年6月に閉業しました。

客がいないはずの風呂場から会話が聞こえてきました。

左:ニコニコ温泉・相良政之さん 右:桑の湯 4代目・桑沢弘幸さん

桑の湯 4代目・桑沢弘幸さん:
「お客さま、パッと見て、アッと言って、たぶん満足な笑顔を皆さんされると思いますので、その辺はちょっと、僕もワクワクしています」

ニコニコ温泉・相良政之さん:
「自信はあるつもりなんですけど、当日、不安はちょっとありますね。何て言っていただけるか」

桑の湯の4代目桑沢弘幸さん(53)と、銭湯運営会社「ニコニコ温泉」の相良政之さん(26)です。

実は「桑の湯」は「ニコニコ温泉」が引継ぐことが決まりました。12月末の再開に向け現在、準備が進められています。

桑の湯 4代目・桑沢弘幸さん:
「僕の気持ちがそっくりそのままバトンタッチできたような気持ちでいますので、楽しみです」

■設備の老朽化や体力を考え閉業

昭和50年ごろの桑の湯(提供:桑沢さん)

昭和4年(1929)創業の「桑の湯」。

元は製材業を営んでいた弘幸さんの曾祖父が廃材を活用して始めました。

弘幸さんの母・節代さん

昭和、平成、令和。

市民から親しまれてきました。

3代目の父・英晴さんが亡くなってから弘幸さんと母・節代さんが営んできましたが、設備の老朽化や2人の体力を考え閉じることを決めました。

桑沢弘幸さん:
「もう無理だというのが、決断の辛いところで、苦しいところですね、胸が痛みます」

■客から存続願う声が相次ぐ

4代目・桑沢弘幸さん

閉業を知らせると、客からは存続を願う声が相次ぎます。地元企業の提案もあり「後継者探し」を決断。「銭湯経営の経験がある」などの条件で、募集を始めました。

桑沢弘幸さん:
「閉業しか道がないと思っていた。それがいろいろな方のアドバイスをいただいて、方針転換ができた。跡を継いでいただければ、自分としては一番うれしい」

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