
仲間と学生消防サークル「長野大学分団」を立ち上げた国井佳音さん
特集は大学生の消防団員です。なり手不足の中、長野県上田市の長野大学の女子学生が消防団に入り、仲間と学生消防サークル・「長野大学分団」を立ち上げました。消防団員の父の姿や震災の経験が彼女を動かしています。
■大学生の消防団員

長野大学4年生・国井佳音さん
上田市の長野大学。図書館で卒業論文に取り組むのは、社会福祉学部の4年生・国井佳音さん(22)です。
長野大学4年生・国井佳音さん:
「(内容は)消防団と一緒に防災教育をするというのがテーマ」
卒論のテーマは「高校の防災教育と消防団との連携授業」。
実はー

消防ラッパの訓練に励む国井さん(左)
11月22日、上田市―。
国井さんは上田市消防団第15分団の団員です。この日は消防ラッパの訓練に励んでいました。
過去、音楽隊に所属していた女子大学生はいましたが、通常の団員は国井さんが初めてということです。
どのような経過で消防団に入ったのでしょうか?
長野大学4年・国井佳音さん:
「父がやっているのも見ていますし、消防の活動いろんなことやってみたいということがあったので」
■東日本大震災で父が消防団で活動

国井さんの父親の貴博さん(51)
国井さんは、宮城県東松島市の出身。父親の貴博さん(51)が地元の消防団に入っていて、幼いころからその姿を見てきました。
防災への意識を強く持つようになったきっかけは東日本大震災。国井さんは小学2年生でした。
長野大学4年・国井佳音さん:
「だんだん揺れが大きくなっていって、バーンっていう激しい揺れがきて、みんな『キャー』っていうふうになって、今でもけっこう覚えてます。津波は私は実際に見てないんですけど、実家の階段の2段目までは浸水しました」

文化祭で市の消防団が団員を募集
父・貴博さんは消防団員として現場で活動しましたが、あまり多くを語らず、国井さんも察して細かくは聞かずにいたと言います。
それでもー。
長野大学4年・国井佳音さん:
「『何かあるかもしれない』という意識があると思うので、女性でも消防団に入っていれば何かしらできることがあると、そういう考えもありました」
大学2年生の時、文化祭で市の消防団が団員の募集をしていて、そこに女性団員もいたことから入団を決意したと言います。