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「バカなこと考えてます」長野のエジソン!?86歳の“発明家” 「傘ハット」「くつ下はき具」30年で100点以上を発明 「誰かの役に立ちたい」特許ほぼとらず商売っ気なし

■小さいころからモノづくりが好き

大工時代の吉田さん

吉田さんは信州新町出身。幼いころからモノづくりが好きでした。

吉田勝さん:
「竹スキー作ったり、そりを木で作ったり、そういうこともして、割合考えるの好きだったんだな、その頃から」

中学を卒業して県長野技術専門校で学び、16歳で大工の道に。26歳のころ独立し、工務店を営んできました。

発明に励むようになったのは30年ほど前から。アイデアが浮かぶとノートに書きとめ、試行錯誤を繰り返しながら、そのほとんどを形にしてきました。

■「くつ下はき具」に「立ち座り補助具」

右の「くつ下はき具」にくつ下を履かせた後、足に履いて引っ張る

吉田勝さん:
「こうやって履くでしょ。履いたらこれを引っ張ればはまっちゃう」

スリッパを改良した「くつ下はき具」。

靴下をセットする手間はありますが、これなら、お年寄りも、簡単に履けるのではと考えました。

「立ち座り補助具」

こちらは「立ち座り補助具」。

吉田勝さん:
「高齢者になるとこうやって(支えにして)立つと。座るときも。これはイスにもなるんだ」

■長野のエジソン!?

吉田さんの発明品

発明品はこの30年間でなんと100点以上。

「長野のエジソンですね」と話を向けるとー

吉田勝さん:
「エジソンじゃあ、そんな上じゃない。ドクター中松だっけ、そういう名前の人いたよね、『長野のドクター中松』って冷やかされて言われてるんだ。(続いているのは)探求心があるからじゃない?何かものを見ても、こうなればいいのに、ああなればいいのにという見方は自然に」

■避難所で使えるものも発明

「安眠枠」

こちらは東日本大震災の避難所の様子をテレビで見て思いついた発明品です。

吉田勝さん:
「避難する人、体育館の広いところで一人分これがあれば。自分のこういうの(ジャンパー)かけとけば、目隠しできちゃう。避難所では知らない人もいるし、人の視線も浴びるし、嫌だということから考えた」

「安眠枠」

避難所で雑魚寝をする住民たちのために考えた「安眠枠」。

吉田勝さん:
「あー、地震の災害が起きてここにたどり着いて『やっと安心して安めそうだ』ーってなってくれればいい」

ホームセンターで材料をかき集め、1カ月かけて200個を製作。ボランティアを通じて岩手県の被災地・大槌町に寄付しました。

吉田勝さん:
「1週間も経たないで社協から電話きて、『追加お願いできますか』と、『大好評だ』と。あー、それでもよかったなって、使ってくれてれば」

誰かの役に立ちたい。

吉田さんの発明の多くはそこから出発しています。発明してもほとんど「特許」を取ってきませんでした。

吉田勝さん:
「商人の気がないね、商売っ気がないね。これを知った人が誰か(商品化の)手を挙げてくれるのが一番いい」

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