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「だめだ、だめだ」東京五輪後、心身の不調で引退…母・姉の支えで苦悩乗り越え復帰 萩谷楓選手(24)「私、走るの好き。次はマラソン」自分の走りと再び向き合う

■東京五輪後、心身の不調で引退

インタビューに応じる萩谷さん

次はパリで。多くの人がそう期待しました。

しかし、2023年、突然の引退表明。

萩谷楓選手:
「足が痛いわけでもなく、継続して練習しているのに、なぜかレースでは結果が出ないという1年だったので、常に『なんでやろ、なんでやろ』という感じで、苦しい1年ではありましたね」

オリンピック以降、周囲の注目によって練習のリズムが崩れ、スランプに。さらに肺気胸を発症。焦りや落胆で精神的に疲弊してしまい、病気が治ったころには走りへのモチベーションが残っていませんでした。

萩谷楓選手:
「部屋で一人閉じこもるような生活で、余計気持ち的にも『だめだ、だめだ』という感じになっていた。肺気胸になって、それがきっかけで競技からは離れたんですけど、それはただのきっかけで、それ以前に気持ち的に崩れていた部分もあったので、いったん競技から離れました」



■知人に誘われて出た大会が転機に

ウォーミングアップ

ところが、2023年7月、知人に誘われて出たランニング大会が転機に。軽い気持ちで出場し10キロを走りましたがー。

萩谷楓選手:
「『まあ別に走れるやろ』みたいな、その時は肺気胸も治っていたし。もう全然走れなくて、しんどくてしんどくて、市民ランナーの人に置いていかれる自分が悔しくて、次の日から朝練を始めました(笑)」

引退表明から3カ月、萩谷さんはひそかに練習を再開、競技に復帰しました。

現在はどこにも所属せず、関西を拠点に元の走力を取り戻している最中です。

トレイルランニングにも挑戦しています。

以前と大きく変わった点があります。それは走りに取り組む「姿勢」です。

■自分の体とよく対話するように

ハーフマラソンに向けて練習

この日はハーフマラソンに向けての練習。

萩谷楓選手:
「今は全部自分で1カ月の練習メニュー組んで、考えてやっていますね」

以前は、与えられた練習メニューをこなすだけでしたが、今は、自分でメニューを組んでいます。

寮生活の中、当たり前のように提供されていた食事も、今は自分で作るように。

萩谷楓選手:
「自分の体とよく対話するようにはなった。自分でできることは自分でやるというのがアスリートのあるべき姿かなと思うので、知識として持っておくことにはいいかな」

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