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「自分は無傷で生きてしまった」仲間5人失い、1人行方不明…生還の男性「自分にできることは」と思い立ち“火山マイスター”に 御嶽山噴火から10年「風化させない」

■安全登山を啓発「火山マイスター」に

啓発活動をする里見さん(右)2024年7月28日、木曽町黒沢口

2023年まで、顔や名前を出さないことを条件に取材に応じてきた里見さん。それが今年から変わりました。安全登山を啓発する「御嶽山火山マイスター」になったのです。

7月、初めての啓発活動もしました。

御嶽山火山マイスター・里見智秀さん:
「ヘルメットはありますか?」

御嶽山火山マイスター・里見智秀さん:
「個人ではなかなか風化も止められないし、力になれないなと感じてきたので、顔も実名も伏せて行動してきたけど、そこをオープンにすることによって、よりマスメディアで取り上げてもらって、犠牲者と行方不明者が出た事実を今一度思い返してもらい、風化の抑制になれば」

■二度と犠牲者が出ないように

追悼式典(2024年9月27日)

2024年9月27日―。

追悼式典に参加した里見さん。

命日の9月27日も剣ヶ峰へ行くつもりでしたが天候が悪く、断念しました。視界が悪い日の登山は噴煙に気づけない可能性もあるため、勧めないことにしています。

慰霊碑に刻まれた同僚の名前に触れる里見さん

仲間を失い、木曽に通い、辿り着いた火山マイスターという「答え」。

これからも里見さんは登山者の啓発に力を入れる考えです。

御嶽山火山マイスター・里見智秀さん

御嶽山火山マイスター・里見智秀さん:
「年々風化してるなと非常に感じてる、そこが一番大きい。10年目って節目節目って言いますけど、私にとっては通過点であって、被災者の1人として無傷生還した1人として今後はこのような火山噴火があった時に犠牲者が出ないように活動をしていきたい」

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