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平和・復興祈る音色 コカリナ奏者・黒坂黒太郎さん 音楽活動50周年 故郷の上田でコンサート

コカリナ奏者・黒坂黒太郎さん(9月16日、上田市・サントミューゼ)

平和を祈る音色です。長野県上田市出身のコカリナ奏者・黒坂黒太郎さん。今年で音楽活動50周年を迎えました。平和や復興を訴えながら活動してきた黒坂さんの思いは、コカリナの音色と共に少しずつ広がっています。

【演奏】♪チャルダッシュ

軽やかに響くコカリナの音色。演奏するのは上田市出身の黒坂黒太郎さん(75)です。能登半島地震の復興支援と音楽活動50周年を記念した全国ツアーを開催中で、先日、出身地・上田市でも演奏しました。

コカリナ奏者・黒坂黒太郎さん:
「被災地を支援したり、平和のことをやってきたから、そういったことも織り交ぜて、能登半島地震の(被災者の)皆さんにも支援できればと思って計画した」

「コカリナ」はハンガリーの木製の笛に触発されて黒坂さんが生み出した笛。構造がオカリナに似ていることからその名がつきました。

コカリナ奏者・黒坂黒太郎さん:
「普通の笛とちょっと違う、音がけっこう、こもるんですね。こもった分、柔らかい音になるんで、聴きやすい」

県内で知られるようになったのは長野オリンピックの少し前から。黒坂さんが五輪道路の建設で伐採された木でコカリナを作り、山ノ内町の子どもたちにプレゼントしたのが始まりです。

以降、コカリナは環境や平和を考える、いわば「教材」としてその音色と共に各地に広がっていきました。

次の五輪開催地・ソルトレークでも作られ演奏されました。

戦没画学生の作品を展示する無言館での成人式。黒坂さんは平和への願いをコカリナに託す演奏活動にも力を入れてきました。

被災地支援も。東日本大震災で校舎が全焼した宮城県石巻市の小学校の焼け残ったアカマツでコカリナを作り、追悼コンサートを開きました。

黒坂黒太郎さん:
「とてもしんどい所にいる人たちは言葉で助けられなくても、音楽で助けられる。それは東北の震災や神戸の震災、そういうところでも体験してきているので。あの感触は、ずっと僕の支えになっています」

黒坂さんと同じようにコカリナの音色に平和を願う青年がいます。千曲市出身の坂本龍太朗さんです。

千曲市出身・坂本龍太朗さん:
「目に見えないけど、会えないけど、そこに人がいる。そこに目を向けていくことが一番大事」

坂本さんは小学生だった長野オリンピックの頃、コカリナに出会い黒坂さんとも親交がありました。その後、坂本さんはポーランドへ。隣国・ウクライナがロシアの侵攻に遭うと物資を送り、避難民の支援に当たってきました。

2022年、黒坂さんはコカリナ仲間たちと坂本さんへの支援を呼びかける演奏会を開催。2023年は、来日した坂本さんとウクライナの4姉妹もステージに立つコンサートを開催しウクライナへの支援を呼びかけました。

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