■コロナ禍…「薬師如来」制作

左手には疫病を治す「薬壺(やっこ)」が乗っている
それまで一本の木から掘り出す「一木造(いちぼくづくり)」でしたが、4年前、複数の木材を彫って寄せ合わせる「寄木造(よせぎづくり)」にチャレンジ。巨大な仏像づくりを始めました。
西沢治夫さん:
「大きいと、バランスがよくわかんなくなるから、ちょっと離れて、たまにスマホで撮って、『あれ、ちょっとここおかしいな』とか、バランスが一番、彫っていく中では難しいね」
当時はちょうど、新型コロナウイルスが拡大し始めた時期。仏像は病気を治し、心身の健康を守ってくれるとされる「薬師如来」にしました。
西沢治夫さん:
「医者みたいな仏様とも言われ、病気が治るようにお願いするともいわれているから」

螺髪(らほつ)も手彫り
左手には疫病を治す「薬壺(やっこ)」。
約500個の螺髪(らほつ)も手彫りです。
■こだわりは顔

こだわりの表情
そして一番のこだわりはー
西沢治夫さん:
「こだわりは顔に出るからさ。慈悲の心を込めたものでなければ仏像じゃないよって言われるぐらいの世界。顔の表情が一番苦労する。苦労するっていうか、到達はできないけど」
法衣は麻布を使用。
背景には朝焼けの北アルプスを描いています。
■とにかく見てもらえれば

「気軽に見に来てほしい」
先日、開眼法要も営まれ、それが新聞で報じられると、住民や観光客が「参拝」に訪れるようになりました。
長野市から:
「すごい。病気ばかりしてるからお参りさせてもらいます。大きさはすごいですね、びっくりしました。(ご利益ありそう?)本当に元気いただきます」
「一人で作ったのにしては、大変なものだなと。迫力はあったね」
山あいの集落に突如、現れた巨大な「薬師如来像」。西沢さんは気軽に見に来てほしいと話しています。
制作者・西沢治夫さん:
「ただ自分は(彫るのが)好きで、いい加減な理由はつけてるけど、そんな立派なもんじゃないんだわ(笑)。見てもらってどういうふうに感じてくれているのかなとは想像するけど、とにかく見てもらえば、それだけでうれしい」