■憧れの職人目指し アメリカ出身の男性も

アズース・エランさん
こちらは、アメリカ・フロリダ州出身のアズース・エランさん(36)。
木工科・アメリカ・フロリダ州出身・アズース・エランさん(36):
「アメリカの鉋って押すんですけど、日本の鉋は引きます、全然感じが違います」(写真@アメリカ)

画像提供:エランさん
エランさんは2023年までアメリカで中古物件のリフォームや不動産投資の会社を営んでいました。
日本人の妻と結婚したのを機に愛知県へ。憧れの職人を目指して入校したそうです。

自主練習
午後4時、この日の実習が終わりました。でも、作業場にはまだ多くの訓練生がー。
学校が閉まる午後5時まで「自主練」です。
木工科・玉村秀和さん(兵庫出身・54歳):
「大体毎日1時間くらいはやらせてもらって。皆さん頑張っているし、自分も負けたくないので」

「木曽駒寮」
訓練生の大半・29人は隣の「木曽駒寮」で寮生活を送っています。
1人1部屋が用意され、訓練日は1日3回の食事付きです。

エランさんの部屋
アメリカ出身のエランさんが部屋で取材に応じてくれることになりました。
「おじゃまします」
部屋は六畳一間。
木工科・アズース・エランさん:
「(広さは)十分ですよ、ほとんど部屋にいないので、本当に寝るだけ」

鉋を使う
日本に語学留学したこともあるエランさん。日本が好きで特に「木工技術」に引かれたと言います。
木工科・アズース・エランさん:
「世界一じゃないですか、日本の木工って。まだ建っている古い木のビル(建物)は日本が一番古い。日本の手工具、鉋とノミとか素晴らしい」

2月に結婚、新婚のエランさん
枕元に置いてあったのは妻・菜摘さんとの結婚式の写真。
実は今年2月に結婚した「新婚さん」です。
木工科・アズース・エランさん:
「(新婚ほやほやですが?)付き合いが長いので、10年以上なので。寂しい」

食事は寮生たちと
上松の技専を見つけエランさんの背中を押したのは菜摘さんだったそうです。
木工科・アズース・エランさん:
「木工をやりたいって言ったらいろんな学校を探してくれて、3校くらい見学に行ったんですけど、高山と飛騨の学校も、ここが一番よかった。奥さんには会いたいけど、寂しくないですよ、仲間がいっぱいいる。1年間は足りないと思うので、(卒業後は)工房に入ってもっと勉強したい。できれば自分の小さな工房をつくりたいです」
■「木工漬け」の日々

夜7時半
夜7時半(ピロティ作業)、寮でも自主練する訓練生。
鉋で苦戦していた土屋さんの姿も。
木工科・土屋美稀さん(中野市出身・25歳):
「授業で使っている鉋の研ぎをしていました。1年という短い期間なので時間を有効に使えればと」

目指すは一人前の家具職人
まさに「木工漬け」。目指すは一人前の家具職人です。
木工科・土屋美稀さん:
「家具って長く使ってもらう物だと思うので、買ってからも次の世代にも使ってもらえるような家具が作れたら」

木の温もりが伝わる机や椅子を作る職人を目指す男性(65)
それぞれの夢や目標に向かって歩み出した訓練生たち。
秋には本格的な家具作りや伝統工芸の実習が始まります。