行政は権限の下、責務を果たして

動物愛護管理法の主な罰則
ーー検挙数が増加している背景
法改正を重ね、動物虐待が厳罰化したこと、ペットの繁殖・販売業への規制が強化されたことによる影響も考えられ、警察の動物虐待に対する認識が変わってきたのではないでしょうか。
ーー今後の課題は
とは言え、まだまだ法的整備がなされてないところも多く、虐待行為者は検挙されても、心身共に傷ついた動物を適切に保護できる法的強制力もなく、動物たちのその後が確認不可能というケースもあるため、本当の意味での解決には至っていません。また、事件化した後の被虐待動物の保管について、行政は警察に対して非協力的なため、警察が動きづらくなることも多々あります。

公益財団法人「動物環境・福祉協会Eva」理事長の杉本彩さん
行政にはその権限の下、改正された法律を適正に運用し、その責務を果たしていただきたいので、今後も当協会Evaは、適宜地方自治体にも働きかけていきます。
そもそも事業者においては、行政がきちんと指導→勧告→命令と、必要に応じて業の取消しを行っていれば、事件化することもなかった事例も多いはずです。