
4月から減便が決まった「ぐるりん号」
バスの運転手不足などを背景に運行の見直しが検討されてきた長野市中心部を走る循環バス「ぐるりん号」。4月から現在の1日38便から15便と半数以下に減らすことが決まりました。一方、長野市は運転手確保に向けた事業者への緊急支援策2000万円を盛り込んだ補正予算案を2月1日開会の市議会に提案します。
長野駅を出発し、市役所や権堂、善光寺大門などを経て駅に戻る循環バス「ぐるりん号」。長野市が長電バス(長野市)とアルピコ交通(松本市)に運行を委託しています。
現在は4台のバスが15分間隔で1日38便走っていますが、4月からは2台に減り、運行は30分間隔となって、便数は半分以下の15便になります。アルピコ交通は撤退します。

長野市・荻原健司市長
利用者:
「家の近くまでバスが行ったりするので助かっているんですけど、(減便は)不便ですね。いい時間がなくなっちゃうのは」
「ぐるりん号も(便が)半分になったりしてればさ、足が大変だわな、探すのに。逆に増やしてもらいたいぐらいだもんな」
長野市・荻原健司市長:
「運転手がいない現状を考えると、市民の皆さんにもご理解いただきたい」

長電バスは1月から長野営業所管内で路線バスの日曜運休を決めた
背景にあるのは「利用者の減少」と全国的に問題となっている「運転手不足」です。
「ぐるりん号」の利用者はコロナ禍前の2019年度は18万3000人でしたが、2022年度は13万1000人まで減り、コロナが「5類」に移行した後も戻っていないということです。
運転手不足はさらに深刻で、長電バスは1月から長野営業所管内で路線バスの日曜運休に踏み切っています。

ぐるりん号から撤退するアルピコ交通
今回、「ぐるりん号」から撤退するアルピコ交通も3月末で長野・松本間の高速バスを廃止する方針です。
アルピコ交通長野営業所は「人員不足はコロナ後にさらに顕著になっていて、なかなか確保できない。利用者には大変申し訳ない」とコメントしています。

4月から運転手の労働時間削減が義務付けられる
4月から運転手の労働時間削減が義務付けられるいわゆる「2024年問題」も控え、バス事業者の苦境が続いています。
「地域の足」をどう維持していくか。長野市は2月1日開会の臨時市議会に、従業員が免許を取得する費用への補助など、バス運転手確保のための緊急支援策2000万円を盛り込んだ補正予算案を提出することにしています。