特集は「幻のキノコ」です。長野県千曲市の企業が生産する「ヤマブシタケ」は山ではあまり採れない貴重なキノコ。知名度が課題でしたが、この秋、ユーチューバーが取り上げてから人気が上昇。企業もレシピ動画の発信に力を入れています。
カットされたブナシメジが次々と袋詰めされていきます。
こちらは千曲市の「久保産業」の工場。
主力はブナシメジで、年間400トンほどをスーパーなどに出荷しています。
久保産業・久保昌一社長:
「こちらです」
もう一つ、「看板商品」があります。
それは、この白い球のような形をしたキノコ。
久保産業・久保昌一社長:
「ヤマブシタケといいます。(本来は)白いぼんぼんみたいな形なんですけど、山伏が山で修行するときに着る『鈴懸衣(すずかけごろも)』の白いぼんぼんに似ているということで、そういう名前がついているようです」
ヤマブシタケは山に自生していますが、群生していないため、見つけるのが難しく長く「幻のキノコ」とも言われてきました。
久保産業・久保昌一社長:
「多くの人に、おいしいキノコなので食べてもらいたいと思って取り扱っています」
生産に乗り出したのは2代目の久保昌一社長が、先代の父から家業を継いだ2001年ごろから。
久保産業・久保昌一社長:
「ブナシメジの栽培というと、生産者は非常に多くて、大きな会社も栽培してましたので、非常に競争が激しくなったんです。違う特徴を出せないかなという思いで、他のキノコを探していたんですね」
良いキノコはないかと思案していた久保社長。ある日、ヤマブシタケが栄養豊富で、中国では宮廷料理に使われるほど珍重されていることを知りました。
そこで知人の紹介で県の研究者から種菌を譲ってもらい、先端がサンゴのように開いたオリジナルの「さんごヤマブシタケ」を開発しました。
珍しさもあって、青果店や飲食店から引き合いがあり、今では年間50トン近くを生産しています。
久保産業・久保昌一社長:
「うまみが強いですね。料理全体がヤマブシタケ入れるとおいしくなるので、食材としては面白いのかなと」