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クマの爪痕…住宅から約50m 人身被害防げ 県が“出没場所”を緊急点検 飯山では死亡事故

クマ被害への対策です。長野県飯山市で10月14日、男性がクマに襲われて死亡した事故を受け、県が出没の恐れがある場所で緊急点検を始めました。住宅地に近い場所にある柿の木には爪痕が残っていました。

クマ対策員・後藤光章さん:
「肉球ですよ肉球、これが手の平の肉球ですよね」

クマのものとみられる足跡。飯山市で行われたクマの緊急点検です。県の野生鳥獣被害対策チームなどが目撃情報が寄せられた場所を調査しました。

今年、全国で相次ぐクマ被害。

こちらは10月、木島平村の柿畑で撮影された映像です。複数頭のクマがいることが分かります。収穫されずに放置された柿を目当てに集まって来たとみられます。

10月14日には飯山市の山林で猟友会に所属する80歳の男性がイノシシの罠にかかったクマに襲われ死亡する事故も起きました。現場近くには柿の木がありました。

県内では今年人身被害が9件、10人確認されています。

30日の点検は飯山市の死亡事故を受けて行われたもので、クマが身を潜めやすいやぶの状況や、引き寄せる原因となっている柿の木などを調査しました。

(記者リポート)
「住宅に非常に近い場所にあるこちらの柿の木、クマのものとみられる爪痕も確認できます」

住宅からおよそ50メートルしか離れていない場所にある柿の木にも爪痕が。

また、違う場所ではクマが食べたとみられる実も転がっていました。やはり、柿の実は収穫されず放置されていたということです。

クマ対策員・後藤光章さん:
「こういう木だけでもピックアップして、1年で1本でも2本でも減らすということが地域にとって大事だと思います」

緊急点検は11月14日までに県内全域で行い、わなの設置状況も確認するということです。

結果をもとに対策を検討する予定で、必要に応じて土地の所有者への助言も行うとしています。

クマ対策員・後藤光章さん:
「山の食べ物が広範囲で少なければ、もっとたくさんのクマが下りてくるわけですね。そうすると一部の個体は人家のすぐそばの柿の木に登ったりすることがあるかもしれません。(地域間の)いろんな方と相談する中で、とにかく木を減らすという取り組みを進めないといけないと思います」

県はあらためてクマを人里に近づけないよう放置された果樹を収穫すること。
廃棄する農作物や生ごみなどを放置しないことなどを呼び掛けています。
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長野放送ニュース

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