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信州では「お盆に天ぷら」 全国的には珍しい食文化 小麦粉、食用油の消費額も全国上位

定着の背景は…

長野県で広く定着しているのは…

・そもそも夏野菜が豊富で、野菜の摂取量も多い(男女とも全国1位※2016年の調査)
・標高が高く夏も涼しいことから揚げ物の調理も苦にならない

といった背景も考えられるということだ。

■そもそも、県民は「天ぷら好き」?

家計調査からも天ぷら好きがわかる?

そして、もう一つ。

長野県立大学・中澤弥子教授:
「(県内は)秋のキノコ類、春の山菜だったり、比較的、天ぷらでね、召し上がる習慣が多いと思うんですけど。家計調査とかでもね、小麦粉だったり食用油だったりが、長野市の記録結果になりますけれど、消費量が多いっていうのはよく言われるところ。平たく言うと、天ぷら、お好きな方が多いと思います」

家計調査によると、長野市は小麦粉の消費額が全国1位、食用油は全国10位。※2020~22年の平均

このことからも、天ぷらをする機会が多い、ひいては「信州人は天ぷら好き」という推察も成り立つ。

炭酸まんじゅうの天ぷら(7月取材)

事実、野菜だけでなく、佐久地方ではまんじゅうを揚げた「天ぷらまんじゅう」、

ビスケットの天ぷら(2012年)

小谷村ではビスケットを揚げた「ビスケットの天ぷら」といった変わり種も。

いずれもお盆の時期にお供えにしたり、みんなで食べたりしてきた。

■おもてなし 天ぷら食べ放題の宿泊施設も

天ぷら食べ放題も(11日・長野市「松代荘」)

天ぷらは信州の食文化を語る上で欠かせない料理。これを旅行客・帰省客への「おもてなし」として提供している宿泊施設もある。

料理長:
「どうぞ、きょうはたくさん食べてください」

大皿に次々と並べられていく天ぷら。長野市松代町の「松代荘」は、お盆の期間限定で、夕食プランに天ぷらの「食べ放題」のサービスを実施している。丸ナスにズッキーニ。野菜はすべて長野県産だ。

天ぷらを味わう

埼玉の夫婦:
「埼玉は特にお盆はこれを食べるっていうのはないですね。こういうのはとてもうれしいですし、いい思い出になります」

こちらは東京から妻の実家に帰省し、祖父母と3世代で訪れた家族。

男の子:
「おいしい」

父親(東京から):
「東京でお盆にこれを食べなきゃっていう文化は聞いたことないですね。どういう発祥かわからないですけど、天ぷらを家族でつっつくというのはいいのでは」

祖母(長野市内):
「天ぷらが長野って…。全国(でも食べている)と思ってた。アハハ」

松代荘・中山靖支配人:
「地域のそこに根差した食材を、ぜひこの時期でしか味わえないものを天ぷらで。目と味の方で信州を味わっていただけたら」

迎え盆の天ぷら(13日・長野市)

先祖、帰省した家族、遠方から来た人にごちそうを。天ぷらは、信州の食材をおいしく食べる手段であり、この時期は感謝やもてなしの心を表わす料理となっている。

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