
Milk Factory kumapon'sの熊谷鮎美さん
特集は、家業の酪農を盛り立てようと奮闘する長野県阿南町の女性。飼料の高騰などで厳しい経営が続く中、牛乳をアイスクリームに加工して販売。おいしさを広め、家業を守ろうとしている。
■実家の牛乳でアイスクリーム

Milk Factory kumapon'sでアイスクリームを販売
阿南町の直売所で営業する水色のキッチンカー。
「どうぞ。気を付けて持ってね」
販売しているのは、アイスクリーム。
子ども:
「(お味はどうですか?)おいしい」
店の名は「Milk Factory kumapon's」。
熊谷鮎美さん(35)が一人で切り盛りしている。

左から「アイスフラッペ」(650円)、「和合のアイス」(400円)、「清流フロート」(550円)
メニューはシンプルなミルク味の「和合のアイス」、そのアイスを浮かべた涼やかな「清流フロート」、地元のイチゴを使った「アイスフラッペ」など。
いずれも酪農を営む実家の牛乳で作っている。
kumapon's・熊谷鮎美さん:
「アイス屋さんがうまくいくかによっては『後継ぎ』になるかもしれない。(アイス販売が)うまくいくかどうか、うまくいかせる気しかないんですけど、それによって、うちの酪農が生き残っていけて、うちもハッピーだし自治体もハッピー。そういうところまで、いけたらいいなと」
■酪農は祖父が2頭の牛から始める

阿南町和合地区の牛舎
熊谷さんの家と牛舎は、山あいの和合地区にある。
熊谷鮎美さん:
「じゃれてくるもんで、仕事にならん」

15頭を飼育
1956年に祖父が2頭の牛から始めた酪農。父・敏彦さん(62)と母・厚子さん(59)が継いで世話をしてきた。
多い時は40頭いたが、今は15頭。

エサやりと搾乳は1日も欠かせない
毎日、およそ250キロの生乳を出荷していて、朝5時と夕方4時のエサやりと搾乳は1日も欠かすことができない。
■厳しさを増す酪農の経営環境

熊谷さんはおととしから仕事を手伝うように
熊谷さんが手伝うようになったのは、2年ほど前から。
熊谷鮎美さん:
「牛がいるのにやったことがなかったのが、さみしかったんでもないけど、憧れみたいな、一番近くで見てた職業なので。今のところ『楽しい』でしかない」

父・敏彦さん
子どもの頃は、牛舎に近づかないように親に言われていた。
父・敏彦さん:
「小さい頃って『何やっとるの?』『私にもやらせて』ってくるから、めんどくさくて、邪魔だった」