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味は“祖母譲り” 店は亡き“祖父の夢” 24歳孫「まんじゅう店」開業 昔ながらの「炭酸まんじゅう」

あんこも手作り

教わったのは、重曹で生地を膨らませる「炭酸まんじゅう」。北関東が有名だが、佐久地域でも冠婚葬祭などの折に食べられてきた郷土食。

高橋さんは、さらにおいしくしようと北海道産の小豆「エリモショウズ」を仕入れ、あんこを手作りしている。

■母親も一緒に移住しサポート 

母・綾恵さんと正人さん

高橋さんをサポートするのは母親の綾恵さん(54)。美容室を営む父親を神奈川に残し、今は母と子でアパート暮らしをしながら店を営んでいる。

母・綾恵さん:
「仕事を辞めて(まんじゅう店を)やるって聞いたときはビックリしました。自分の人生なので自分のやりたいことをやってもらいたいと、小さいころから思っていたので」


せいきちまんじゅう(3個500円)

2人で試行錯誤し、およそ8カ月かけて仕上げた「せいきちまんじゅう」。

幅広い世代に食べてもらえるよう、重曹を減らして独特の苦みを消し、あんこの甘さも控えめにした。

てんぷらまんじゅう(3個600円税込み)

こちらも祖母・みさをさんがよく作ってくれた「てんぷらまんじゅう」。仕上げに塩を振って甘さを引き立たせる。

佐久市から(63歳):
「これだ、懐かしいじゃんやっぱりね」
「涙出そうなくらい、おいしい。やっぱりいいよね、炭酸まんじゅうは」

■祖父は夢をかなえられず他界

祖父母と正人さん

店は祖父母の自宅の敷地内にある。

高橋さんが早い段階から店を開くことを決意していたのは、祖父の思いを知ったからだった。

役場勤めをしていた祖父の清吉さん。趣味はそば打ちだった。

祖母・笠原みさをさん:
「おそばが大好きだったんですよね、主人。私がおまんじゅう作る。『いずれはお店したいな』って主人が言ってましたけど。でも、それもかなわないで亡くなっちゃったんですけど」

「退職したらそばとまんじゅうの店を開きたい」と話していた清吉さん。2000年5月、心筋梗塞により亡くなった。59歳だった。

軽井沢 せいきち・高橋正人さん:
「夢が、かなえられずに亡くなっちゃったので、それもあってやっぱり(店を)やりたいなと」

祖母・みさをさん(81):
「主人も喜んでいると思います、一生懸命やってくれているから。若いからさ、ちょっと心配だけど(笑)」

軽井沢 せいきち・高橋正人さん:
「若いからこそしかできないこともあると思うので、そこはもう安心していただいて」

祖母・みさをさん(81):
「がんばってください」

■徐々に客も増えて手応え

そばまんじゅう(3個550円税込み)

7月、新商品が加わった。

生地にそば粉を練りこんだ、そばまんじゅう。

そば好きだった清吉さんの思いを、また一つ形にした。

軽井沢 せいきち・高橋正人さん:
「(祖父へ)夢をかなえたよって感じです。これから頑張るのでサポートをお願いしますと」

軽井沢 せいきち・高橋正人さん

オープンから半年余り。

味の懐かしさもあって徐々に客が増え、高橋さんも手応えを感じ始めている。

軽井沢 せいきち・高橋正人さん:
「僕がそうだったように、軽井沢に来たら食べるというものになってほしい。皆さんに愛されるような人とかお店を作りたいなと、今後の目標です」

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