
特集は地域のお宝。12日、長野県筑北村で民俗資料館の収蔵品を無償で村民に譲渡する会が開かれた。まるで「骨董市」のようだった譲渡会の様子と譲渡に託した関係者の思いを取材した。
わら細工をしている村民:
「雪靴。作っているところに持っていって解明してもらいたい」
古い家具や農機具、そして江戸時代の漆器。
村民:
「文政7(1824)年と書いてあって」
旧本城村民俗資料館・山崎洋文館長:
「漆が何回も塗ってあるから200年もつ」
村民:
「こう重なるのも、機能的にはすごく良い」
まるで骨董市で掘り出し物を探しているようにも見えるがこちらは12日、筑北村で開かれた譲渡会の様子だ。
並べられたのは、旧本城村民俗資料館の収蔵物およそ1200点。昔の警察官の制服や蓄音機といった珍品もあった。
これらが12日、先着順で村民に譲渡されることになり、60人がお目当てのものを探していた。
はた織りの道具を持ち帰った村民:
「感動しますね、こういう物が残ってると。良い物をとっている、古い物をきちっとしているのが素晴らしいと思いました」
鉄瓶などを持ち帰った村民:
「ゲストハウスをやりたいんですよ。古民家を探してる最中なんですけど、それに味を加えられるようなものがあればいいなと思って。きれいにして直してあげて、古民家の方で使っていけばと思います」
元々は明治に建てられた登記所だった旧民俗資料館。地域の歴史を物語る品々を収蔵してきた。
しかし市町村合併で資料館が統合され、建物の老朽化も進んだことから廃止が決まった。
古文書や土器などの重要な収蔵物は村の資料館へ移しているが、その他も「廃棄するには惜しい」と譲渡会が開かれたのだ。
転売防止などのため、誰が所有するかを記録してから譲渡。
旧本城村民俗資料館・山崎洋文館長:
「ここへマツタケを入れて出荷したんです。お野菜は入るからね」
村民:
「はい」
館長の山崎さんは、できれば昔のように生活の一部として使ってほしいと願っていた。
旧本城村民俗資料館・山崎洋文館長:
「ほこりのかぶったそれぞれの品物が村人たちの元へ戻り、有効に活用されれば。別な形の保存ですよね。置き場所が変わっただけで保存して、品物はみんなもらわれた人によって手をかけてもらえるわけだから、品物自身もうれしいと思います」
旧本城村民俗資料館・山崎洋文館長:
「それ直して使えるからね」
京都から30年前に移住してきた南方さんは、時計やラジオなど4点を持ち帰りました。
南方まゆみさん:
「目的の物はいただきました。時計は玄関に、ラジオはリビングに飾ろうかなと。これからちょっとお掃除して」
「動くかもしれません。うれしい」
早速、玄関に飾る―。
南方まゆみさん:
「どうでしょうか。すてき、ここですね、場所は」
一方、東京から移住してきた佐々田さん。かやぶき屋根の小屋を自力で建てた。
持ち帰った収蔵物は…。
佐々田元さん:
「棟木あたりに取り付けて、こんな感じで使おうかなというイメージ」
将来、囲炉裏を作った時に必要になる自在鉤(じざいかぎ)や鉄瓶だ。
佐々田元さん:
「『宝の山』という感じ。ずっと欲しかったものが並んでいて、自分のやりたいことに直結するものが民俗資料館にはあり、いい出会いでした」
するす(もみすり機)も!
佐々田元さん:
「楽しいけど、これを毎回やるのは大変そうだなと(笑)。昔はこうやってたよと体験するくらいで、使わせていただきたい」
都会から移住してきた住民には、特に好評だったようだ。
山崎館長は、「収蔵物を使いたい」と言ってくれた住民が、思いのほか多かったと喜んでいた。
旧本城村民俗資料館・山崎洋文館長:
「『これ使えるじゃん』と言って、使ってもらう気持ちが良かった。使われて初めて品物の価値が出るわけなんですよね。だから50年、100年前の既に使われ捨てられてしまったものが、また再利用されるという脚光を浴びて、日の目を浴びるのはいいんじゃないですかね」
わら細工をしている村民:
「雪靴。作っているところに持っていって解明してもらいたい」
古い家具や農機具、そして江戸時代の漆器。
村民:
「文政7(1824)年と書いてあって」
旧本城村民俗資料館・山崎洋文館長:
「漆が何回も塗ってあるから200年もつ」
村民:
「こう重なるのも、機能的にはすごく良い」
まるで骨董市で掘り出し物を探しているようにも見えるがこちらは12日、筑北村で開かれた譲渡会の様子だ。
並べられたのは、旧本城村民俗資料館の収蔵物およそ1200点。昔の警察官の制服や蓄音機といった珍品もあった。
これらが12日、先着順で村民に譲渡されることになり、60人がお目当てのものを探していた。
はた織りの道具を持ち帰った村民:
「感動しますね、こういう物が残ってると。良い物をとっている、古い物をきちっとしているのが素晴らしいと思いました」
鉄瓶などを持ち帰った村民:
「ゲストハウスをやりたいんですよ。古民家を探してる最中なんですけど、それに味を加えられるようなものがあればいいなと思って。きれいにして直してあげて、古民家の方で使っていけばと思います」
元々は明治に建てられた登記所だった旧民俗資料館。地域の歴史を物語る品々を収蔵してきた。
しかし市町村合併で資料館が統合され、建物の老朽化も進んだことから廃止が決まった。
古文書や土器などの重要な収蔵物は村の資料館へ移しているが、その他も「廃棄するには惜しい」と譲渡会が開かれたのだ。
転売防止などのため、誰が所有するかを記録してから譲渡。
旧本城村民俗資料館・山崎洋文館長:
「ここへマツタケを入れて出荷したんです。お野菜は入るからね」
村民:
「はい」
館長の山崎さんは、できれば昔のように生活の一部として使ってほしいと願っていた。
旧本城村民俗資料館・山崎洋文館長:
「ほこりのかぶったそれぞれの品物が村人たちの元へ戻り、有効に活用されれば。別な形の保存ですよね。置き場所が変わっただけで保存して、品物はみんなもらわれた人によって手をかけてもらえるわけだから、品物自身もうれしいと思います」
旧本城村民俗資料館・山崎洋文館長:
「それ直して使えるからね」
京都から30年前に移住してきた南方さんは、時計やラジオなど4点を持ち帰りました。
南方まゆみさん:
「目的の物はいただきました。時計は玄関に、ラジオはリビングに飾ろうかなと。これからちょっとお掃除して」
「動くかもしれません。うれしい」
早速、玄関に飾る―。
南方まゆみさん:
「どうでしょうか。すてき、ここですね、場所は」
一方、東京から移住してきた佐々田さん。かやぶき屋根の小屋を自力で建てた。
持ち帰った収蔵物は…。
佐々田元さん:
「棟木あたりに取り付けて、こんな感じで使おうかなというイメージ」
将来、囲炉裏を作った時に必要になる自在鉤(じざいかぎ)や鉄瓶だ。
佐々田元さん:
「『宝の山』という感じ。ずっと欲しかったものが並んでいて、自分のやりたいことに直結するものが民俗資料館にはあり、いい出会いでした」
するす(もみすり機)も!
佐々田元さん:
「楽しいけど、これを毎回やるのは大変そうだなと(笑)。昔はこうやってたよと体験するくらいで、使わせていただきたい」
都会から移住してきた住民には、特に好評だったようだ。
山崎館長は、「収蔵物を使いたい」と言ってくれた住民が、思いのほか多かったと喜んでいた。
旧本城村民俗資料館・山崎洋文館長:
「『これ使えるじゃん』と言って、使ってもらう気持ちが良かった。使われて初めて品物の価値が出るわけなんですよね。だから50年、100年前の既に使われ捨てられてしまったものが、また再利用されるという脚光を浴びて、日の目を浴びるのはいいんじゃないですかね」