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『地銀合併』驚きと注文 「大きなプラス」「地域密着は継続を」 八十二銀行と長野銀行 3年後に合併へ 

28日に発表された八十二銀行と長野銀行の「合併」の方針。驚きが広がる一方、事業所の関係者は「不安はないが、これまで通りで地域密着で」と注文しています。

八十二銀行と長野銀行が来年に経営統合し、2025年の合併を目指すという28日の発表。預金残高は合わせて9兆円を超え、低金利下で厳しい環境が続く中、一つになることで経営基盤の強化を図ります。

八十二銀行・松下正樹頭取(28日):
「必ずや地域やお客さま、株主、相互の従業員にとってより良いものと確信している」

発表から一夜明け、株価は八十二銀行(478円+1円)が28日とほぼ変わらない一方、長野銀行は1351円(+142円)と12%近く上昇。合併は長野銀行に有利な材料として「買い」が入ったとみられます。

一方、長野銀行のお膝元の松本市では…。

(記者リポート)
「突然の発表から1日、2つの銀行が並ぶ松本市街地では、利用者からさまざまな声が聞かれました」

長野銀行の利用者:
「地方銀行が分散化されているよりも一本化していった方が、人件費の問題とかもありますしいいのかなと思います」
「ATMの使い勝手だったりとか、2つが1つになったことで良くなればいいんですけど、難しくなったとすると大変かな」

合併により「効率化」や「過度な競争の解消」が期待される一方、「店舗の統合」や「貸出金利の高止まり」といったサービスの根幹に関わる要素もあります。特に店の統廃合は避けられないとみられます。

長野銀行・西澤仁志頭取(28日):
「(口座)番号が変わったりとかお店の番号が変わったりすることはあると思いますけど、経営統合によってお客さまの預金が影響を受けることはない。ご心配ないように進めていきたいと思っています」

長野銀行の取引先でつくる「松本ながぎん会」会長で会計事務所を営む上野紘志さんは…

松本ながぎん会・上野紘志会長:
「大変びっくりしましたね。特に変わることなくやってもらいたい。(取引先の)中小企業の数が多いと思いますので、そういうところに対する目配りをきちんと続けてもらいたい」

信州大学でも教鞭をとった真壁昭夫・多摩川大学特別招聘教授は…

多摩大学・真壁昭夫特別招聘教授:
「日本全体としてみても金融機関の経営がかなり厳しい。自分のことで手一杯になると企業に手を差し伸べるのが難しくなる。金融機関が体力をつけてビジネスができる、拡大をしてサービスを提供できる状況にできることは、地域経済にとって大きなプラスになるはずです」

ただ、混乱が生じないよう、両行は統合までに丁寧にすり合わせをしてほしいということです。

県経営者協会の碓井稔会長は「地域金融の基盤がよりしっかりしたものになることは地域経済にとっても歓迎すべきこと」とコメント。

競争相手となる松本信用金庫の鶴見明夫理事長は「経営方針を変更することはなく、これからも地域のために頑張るというスタンスでやっていく」と冷静に受け止めています。
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