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「盆栽は、愛情がなければ生きられない」 世界から弟子が集う小布施のアトリエ 命のリレーを次の世代へ、そして世界へ #2

■「人生の旅」を盆栽で演じる 

文部科学大臣賞を受賞した鈴木の弟子・リーが手掛けた盆栽

2025年10月下旬、アトリエは京都で行われる日本最大級の盆栽展「日本盆栽大観展」の準備に入りました。

掛け軸と添え物を一鉢一鉢に合わせて選び、ストーリーを演出。それが鈴木の流儀です。

盆栽作家 鈴木伸二さん:
「赤松の盆栽には旅の物語を重ねた。最初にスタートして全国を回って、最後に同じ赤松を見るのでも景色が違ってくる。それを人生の旅と例えてもいい」

今回、最高賞を狙う大型盆栽の手入れを任されたのは、中国人の弟子・リー。

修業の集大成として臨んだ審査の結果は、2位にあたる「文部科学大臣賞」。

鈴木は「かえっていいの。僕も最初の受賞から次まで8年かかった。壁を越えるから強くなる」と静かに言いました。

後日、リーはこう語りました。「私の夢は、これからの仕事の中で盆栽の芸術をもっと高いところへ届けることです」

■「原爆の松」が語る、平和への祈り

鈴木がプロデュースしたブースに展示された「原爆の松」

展覧会の会場に、鈴木がプロデュースした特別ブースがありました。そこに静かに飾られていたのは「原爆の松」。

80年前の8月6日、広島で被爆し、半身を焼かれながらも命を留めた松。

人の手で大切に受け継がれ、今もここで生きています。

盆栽作家 鈴木伸二さん:
「盆栽は毎日水をかけなければ、言葉なくして枯れゆくものなんですよ。水をかける人の思いは争い事じゃない。だから世界では平和の象徴として広がっている」

■春、また新しい一年が始まる

昭和9年第1回国風盆栽展と令和7年第100回展で飾られた五葉松の前で語る鈴木伸二

展覧会を終え、季節が巡ります。

2026年春、小布施のアトリエで、たくさんの盆栽が一鉢ずつ庭園へと運び出されていきます。

「風神・雷神」も、いつもの場所へ戻り、堂々たる姿を見せました。

鈴木伸二は、昭和9年の第一回国風盆栽展に展示された五葉松を前に、静かに語りました。「師匠の時代から生かされて、戦争を越えて。その人たちの思いは争い事じゃない。弟子が世界中に帰って弟子をとって、広がっていく。その理念の大切さをこれからも伝えていきます」

小さな鉢の中で生き続ける命。父から子へ、師匠から弟子へ、国境を越えて人から人へ。今日も、ここで静かに、時を重ねています。

※この記事は、2026年6月12日にNBS長野放送でOAした「フォーカス信州 盆の中、繋ぐ命~小布施町の盆栽作家~」をもとに構成した内容です(全2回の記事その2)

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