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馬刺し、さくら鍋、馬肉うどん 長野の「馬肉文化」なぜ広がった? 農耕馬・軍馬が身近な存在 「命を大切にいただく」風土も影響 明治から大正にかけて定着

■馬の腸を煮込んだ「おたぐり」

「おたぐり」

また、伊那谷にも。創業73年の高森町の精肉店「肉の丸久」。

手作りの総菜がずらりと並ぶ中、ダントツの人気を誇るのが「おたぐり」です。

「おたぐり」は、馬の腸・「モツ」を信州みそや唐辛子などの調味料で味付けする煮込み料理で、伊那谷のローカルフードです。

肉の丸久 3代目店主・岩本幸司さん:
「馬の腸がすごく長くて、それを“たぐり”寄せるところから『馬のおたぐり』が生まれた。(おたぐりは)普段から食べられている。皆さん集まるときにはよく食べると思います」

お盆や正月には1日に200から300パック売れる日もあり、地元スーパーにもおろしています。

取材した年末のこの日も客が次々と買い求めていました。

松川町からの客:
「やわらかくて、昔、父親がよくこういうものを作って食べさせてもらった思い出があって、私は好き」

喬木村からの客:
「ここら辺の人はみんな食べるよね。内臓物が好きなんだよね、きっと」

「おたぐり」

作り方は先々代が販売を始めた55年前から変えていません。

臭みを消すため丁寧に下処理し、6時間以上かけてやわらかくゆでるなど手間をかけて作っています。

おたぐりの味は―。

(記者リポート)
「おたぐり、とってもやわらかいです。お肉にしっかりとみその味が染みていて嫌な臭いもなく、とてもおいしいです」

肉の丸久 3代目店主・岩本幸司さん:
「先々代から受け継いできた文化なので、このまま後世に残していけるように、馬刺しや馬のおたぐりをこのまま販売していくことが、後々の文化につながるのではないかと思い販売していきたい」

伊那谷の「おたぐり」。大切な馬を「余すことなくいただきたい」という思いから生まれた料理なのかもしれません。

■各地で大切に調理 味を伝承

長野県立大・中沢弥子教授

信州に根付く馬肉文化。馬刺しだけでなく、うどんや煮込み料理まで。各地で大切に調理し、独自の味を伝えてきたことがわかります。

中沢弥子教授:
「いろいろな食べ方を発達させている、工夫してきたというところじゃないかと思う」

実は中沢教授の故郷・熊本も馬肉が名物です。

信州と同じように馬肉文化を継承する加工所や飲食店などがあり、今につながっているそうです。

長野県立大・中沢弥子教授:
「それぞれの地域で、食材を大事にして、いろいろ作っていただくと。おいしく作れる人がいないと発達しないので、そういったことが影響してるだろうな」

2026年は午年。あらためて信州に伝わる馬肉料理を味わってみてはいかがでしょうか。

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